出版社内容情報
魔術的リアリズムともいうべき虚実をないまぜにした巧みな文体をあやつり、神秘的で怪しげなバイーアの下町を、ボヘミアンや娼婦らの強烈な個性とともに描いた「キンカス・ベーロ・ダグアの二度の死」他一篇を含む、現代ブラジルの世界的作家ジョルジ・アマードの代表作!
ジョルジ・アマード[ジョルジ アマード]
著・文・その他
高橋邦彦[タカハシクニヒコ]
翻訳
内容説明
魔術的リアリズムともいうべき虚実をないまぜにした巧みな文体をあやつり、神秘的で怪しげなバイーアの下町を、ボヘミアンや娼婦らの強烈な個性とともに描いた「キンカス・ベーホ・ダグアの二度の死」他一篇を含む。
著者等紹介
アマード,ジョルジ[アマード,ジョルジ] [Amado,Jorge]
1912年、ブラジル東北地方バイーア州に生まれ、2001年、同地で没した。小説家。1951年にスターリン国際平和賞を受賞
高橋都彦[タカハシクニヒコ]
1943年、東京都に生まれる。東京外国語大学大学院外国語研究科(ロマンス系言語専攻)修士課程修了。拓殖大学名誉教授。専攻、ポルトガル語学・文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
119
20世紀のブラジル作家。ガルシア・マルケスとも交友があり、ノーベル賞候補にもなったことがある。今回新装で出版されたので読んでみたが、私には入り込みにくい世界だった。最初の短編で、心が激しく痛み、読むのに時間がかかったからかもしれない。いつか海のそばで再読したい。2018/01/28
織沢
3
『キンカス・べーホ・ダグアの二度の死』を読んだ。これはブラジルで映画にもなっているらしく、ブラジル人の友人が思い出し笑いをしながら勧めてくれたので手に取った。裕福な官吏の家庭を捨て、貧しいが自由で女と酒と友のいる生活を得たキンカス。彼の唐突な死からケチな家族の葬儀準備の場面はキンカスが何故裕福な生活を捨てたのかを読者にも分からせる効果を持っている。死んでいながら友人たちに連れられて街を練り歩くキンカス。その姿は(友人らはキンカスの誕生祝いであるとしているが)、亡者を弔う華やかなセレモニーの形相である。2020/03/19