内容説明
インターネットを介したコミュニケーション空間、大規模スーパーマーケットにおける消費空間、空港に代表される交通空間。現代では当たり前となったこれらの空間はしかし、歴史をもたず、匿名性に満ちた空間である。歴史とアイデンティティに根ざした「場所」と対置される21世紀の「非‐場所」を考察し、「いま・ここ」の新たな理論を立ち上げる。
目次
プロローグ
身近な場所とよその場所
人類学の場
場所から非‐場所へ
エピローグ
著者等紹介
オジェ,マルク[オジェ,マルク] [Aug´e,Marc]
1935年、ポワチエに生まれる。人類学者。EHESSにて指導教授を務める(1985年から95年まで院長)。現代社会について人類学的手法から分析を試みている
中川真知子[ナカガワマチコ]
1982年、東京に生まれる。パリ第三大学博士課程修了。慶應義塾大学専任講師。専攻は二〇世紀フランス文学・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラウリスタ~
9
最初は何やら小説みたいに始まるのでめんくらう、最後の「場所から非場所へ」になるとミシェル・ド・セルトーの『日常の発明』を読み込みながら「空間と場所」そして「場所と非場所」という対立概念を説明していく(そこから読む方が良さそう)。人はある「場所」を横切り、組織化することで(利用することで)「空間」を作り出すとセルトーはいう(この場と空間の区別は一般的ではないし下ともずれる)。また場所はそこに住む人と関係を結び歴史があるが、空港、大型スーパー、自動販売機のような、特定の住人との間に関係を持たぬのが「非場所」。2021/02/09
SQT
1
やっと邦訳読めた。エモい2018/02/23
環世界
0
再読。すっごいフランス人類学って感じ。あとやっぱり、日本人がよくやる非-場所を移動空間と捉えるような非-場所論は誤読だと思うんすよね。別に彼は非-場所を通過点だなんて言ってないし。2020/10/19