〈叢書〉人類学の転回
流感世界―パンデミックは神話か?

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  • サイズ B6判/ページ数 354p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784801002593
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「種の壁」を容易に乗り越え蔓延するインフルエンザウイルスを、香港・中国・日本・カンボジアを股にかけて追跡し、ヒトと動物種とのあいだに広がる諸関係に新たな対角線をひく。ヒトが作り上げる〈社会〉のあり方を、〈危機〉への対応という観点から問い直す。

フレデリック・ケック[フレデリックケック]
著・文・その他

小林徹[コバヤシトオル]
翻訳

内容説明

「種の壁」を乗り越えるインフルエンザウイルスを、香港・中国・日本・カンボジアを股にかけて追跡し、ヒトと動物種とのあいだに広がる諸関係の新たな対角線をひく。ヒトが作り上げる“社会”のあり方を、“危機”への対応という観点から問い直す。

目次

序論 動物疾病の人類学
第1章 バイオセキュリティをめぐる回り道
第2章 自然に面した衛生前哨地
第3章 家禽経営
第4章 仏教的批判
第5章 動物を解放すること
第6章 生物を生産すること
第7章 ウイルスの回帰―あるパンデミックの回想録
第8章 ドライとウェット―実験室の民族誌
結論 パンデミックは神話か?

著者等紹介

ケック,フレデリック[ケック,フレデリック] [Keck,Fr´ed´eric]
1974年、フランスのヴィルールバンヌに生まれる。哲学史家、人類学者。現在はCNRS(フランス国立科学研究センター)に所属し、パリのケ・ブランリ・ジャック・シラク美術館で研究部門を指導している。レヴィ=ストロースのプレイヤード叢書版著作集の編集に携わったほか、ベルクソンやレヴィ=ブリュールの著作の校訂を行っている

小林徹[コバヤシトオル]
1975年、東京都に生まれる。パリ第一大学パンテオン・ソルボンヌ校大学院哲学研究科博士課程修了。博士(哲学)。現在、慶應義塾大学非常勤講師など。専攻は、フランス現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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渡邊利道

4
鳥インフルエンザを追跡し、香港・中国・カンボジア・アルゼンチン・フランスと世界各地を移動しながら動物と人間、生物学的知見および技術と社会的政治学的リアリティのそれ、自然と文化、家畜と野生動物、食料と毒物、商品と廃棄物といった間をすり抜け複数化する意味の層を丹念に辿り、解きほぐして意味づけ直していく。とにかく取材が緻密で細々した事実を積み重ねているところだけでも相当面白いが、思弁もまた本格的で全然答えが出ない感じがいい。2018/07/25

鴨長石

1
SARSやインフルエンザの流行の実態を詳しく現地で調査するというのが全体の流れだが、医学・生物学的のみならず社会学・人類学的に考察するのが素晴らしい。コロナ禍で露呈したが結局パンデミックはウイルスの伝播は実は大した問題ではなく、概念(主に恐怖)の伝染こそが本質なのだ。そしてその舞台は数多のプレイヤーの思惑が絡む複雑系となっている。パンデミックをストライキと結びつけた著者はコロナ出現以前にそれを見抜いていた。ケックのコロナについての言及は見つけられなかったが、どのような見解を持っているのか非常に気になる。2020/11/24

地面の底

0
ゼネストの神話からパンデミックの神話への転換。パンデミックの神話の終焉。神話的なカタストロフのうちの神秘主義的なもの(ベルクソン的な意味で)。マルチスピーシーズ人類学的には動物との関わりあいの問題が重要なのだろうが、ソレルやベルクソンの神話と神秘主義についての議論が興味深かった。2024/04/05

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