内容説明
「この世には、文学ジャンル、講義、演説、新聞、エッセイ、宗教的な説教が、低俗で汚れたものとみなし捨て去った行き場のないものたちを収容するための家が必要なのだ。この住処が「小説」と呼ばれた」言語以前、意味以前の、回復のできない喪失としての「最初の王国」を求めて紡がれる、“最後の王国”という壮大な試み。生きる者を脅かし畏怖の念を引き起こすとともに、失われた「最初の王国」=楽園へのよすがともなる、「もっとも猥雑なもの」が集積されたトポスについての思索。
目次
(妻)
(谷崎潤一郎の母)
空飛ぶ椅子
モフェッタ
穴、顎、墓、絵画
ヴェールの物語
絵画空間
エクリチュールの空間
猥雑なもの
牝ギツネ物語〔ほか〕
著者等紹介
桑田光平[クワダコウヘイ]
1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第四大学文学博士。専攻、フランス文学・芸術論。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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