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狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―愛と享楽について精神分析が知っている二、三のことがら

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784801001596
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0010

内容説明

男の享楽、女の享楽。ラカンの名高いテーゼ「性関係はない」。これは愛についての精神分析が語りうるすべてなのか。もちろんそうではない。フロイトの発見をこのテーゼに昇華させたラカンは、しかし愛について語ることをやめなかった―たとえば宮廷愛について、あるいは狂気の愛について。運命的な愛の彷徨いを描いたブルトンやデュラスを導き手に、このテーゼの奥境に向かう。

目次

第1章 性関係はない―男の享楽と女の享楽(フロイトとともに;話存在とファルス享楽 ほか)
第2章 狂気の愛、狂女への愛、狂気のなかの愛―ブルトン、デュラス、ラカン(宮廷愛とはなにか;“物”の思想 ほか)
第3章 まどろみと海―エス、外の思考、“他なる”性(エスの系譜;ランシエール―美学的無意識の二つの相 ほか)
第4章 フロイトとサド(サドにおける欲望の運命;「隣人愛」の拒絶 ほか)

著者等紹介

立木康介[ツイキコウスケ]
1968年生まれ、神奈川県出身。京都大学文学部卒業。パリ第八大学精神分析学科博士課程修了。現在、京都大学人文科学研究所准教授。専攻、精神分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

eirianda

18
正直なところ、フロイトはどうも男視点に偏っている気がして、入り込めない。ただ、デュラスの作品から読み解くのはとても面白かった。ブルトンもデュラスを通して読めば興味湧いてきた。狂気への愛、なんだか妄想掻き立てるわ。なんだかサドもどれも、欲望を追求してもつかみきれず、生きる虚しさが残るような印象を受けたんだけど、無知ゆえの読み違いなのかしら。2018/01/08

manabu

2
愛と狂気と享楽をめぐる精神分析と文学の話は、難解だけど自分の心の中を旅しているようでワクワクする。この中に出てきたデュラスの『死の病い』を神保町の古書店街で見つけて読みました。

ゴリラ爺さん

1
男女の享楽の差異、性関係はない、「すべてでない」、宮廷愛、シュルレアリスム、エスの系譜、サド、隣人愛、悪意について。主に文化のなかの居心地悪さ、アンコール、精神分析の倫理、狂気の愛、ナジャ、ロル・V・スタンの歓喜が俎上にあげられている。表題の論が一番面白かった。ルージュモンの宮廷愛の系譜、そこに見出される昇華のパラダイムをラカンが「対象を〈物〉の尊厳にまで高めること」と定義したとき、精神分析学に影響されたブルトン、狂気の愛で宮廷愛について語ったブルトンの「超現実」は「現実界の昇華」と解釈しうる。2024/04/20

ひかり

0
すばらしかった。じっくり読んでみてよかった。2018/05/07

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