人形の文化史―ヨーロッパの諸相から

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  • サイズ B6判/ページ数 338p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784801001589
  • NDC分類 759.023
  • Cコード C0072

内容説明

古来より自らの似姿としてつくりだし、様々な関係を切り結んできた“人形”がもつ意義とは何か?宗教・民俗・文学・芸術・思想など、豊かな文化的土壌をもつヨーロッパの諸相から人形文化の深淵に迫る論集。

目次

第1部 “人形幻想”の根源をさぐる(神のかたどり―聖性と呪いの人形文化史;民間伝承のなかの人形;自動人形から江戸のからくり人形まで)
第2部 モダニズム文学にみる人形(E.T.A.ホフマン『砂男』と自動人形―小説、バレエ、オペラ;人造人間の魂―ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』考;中欧の“宿命的な痕跡”を刻む人形―グスタフ・マイリンク『ゴーレム』について)
第3部 危機の時代の人形愛(マネキンとマリオネット―法という名の糸についての覚書き;予兆のなかのベルメール人形―ドイツ世紀末からワイマール時代の人形芸術)

著者等紹介

香川檀[カガワマユミ]
武蔵大学人文学部教授。専攻、表象文化論、ジェンダー論、二〇世紀美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

dilettante_k

4
2016年刊。公開講座を下地に武蔵大学の講師陣が分野横断的にヒトガタを考察した論考集。ヨーロッパを中心とした歴史的淵源、文学作品、戦間期芸術における取り上げ方を通じて人形が備える生と死の両義性を明らかにする。「砂男」「未来のイヴ」「ゴーレム」などの代表的な文学作品を類書とは違った切り口で読み解いており新味を感じる。特に、ベンヤミンからシュルツを経由しナチス絶滅収容所における人間性の喪失に辿り着いた小森謙一郎、ハンス・ベルメールを題材に、人形と写真の不穏な親縁性を見出した香川檀(編者)の論考が刺激的な一冊。2016/04/21

らむだ

3
平成二十六年十月に武蔵大学で行われた公開講座『文学と美術からみる人形文化―――自動人形/人造人間/球体関節人形』をきっかけに刊行された本。西洋の文化の中から、人形のもつ意義や意味を抽出。 ※聖性と呪い。民間伝承。オートマタとからくり人形。『砂男』。『未来のイヴ』。『ゴーレム』。マネキンとマリオネット。ベルメールとドイツ世紀末。2022/12/18

海星梨

2
初めての分野だったので理解度低め。表紙に惹かれて図書館で借りました。予備知識が零なので置いてけぼりをくらいつつも最後まで食らいついて読んだというところ。いろいろなものをこの本で初めて知ったのでいろいろと知識をつけていきたい、という願望では終わらずに直に読んだり見たりという行動に移す。2018/08/14

Bevel

1
中学生の時に買ってもらって以来、何度も何度も読み返した一冊。文学を読んだ時に思い出して、美術史のレポートを書くために、シューマンのピアノ曲とともに私に人形文化を教えてくれた大事な本です。

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