内容説明
ノーベル賞作家、自らを語る―二つの貌をもつ作家自らが、幼年時代の思い出から職業作家になるまでを回想する“青春期”、そして大統領選立候補から敗北までを描いた“壮年期”を交互に語る“小説的”自伝。
目次
私の父という男
サン・マルティン広場
恐ろしいリマ
民主戦線
幸運な士官候補生
宗教、市町村、先祖
ジャーナリズムとボヘミアン生活
モビミエント・リベルタッド
ルーチョ叔父
公人生活
同志アルベルト
陰謀家と龍
勇敢な小サルトル
御用知識人
フリア叔母さん
大きな変化
ミトラ鳥
汚い戦争
パリ旅行
終着点
著者等紹介
ジョサ,マリオ・バルガス[ジョサ,マリオバルガス] [Llosa,Mario Vargas]
1936年、ペルーのアレキパ生まれ。長編小説『都会と犬ども』(1963年)によりビブリオテカ・ブレベ賞を受賞して「ラテンアメリカ文学のブーム」の花形となった後、現在まで多数の作品を残している。1994年にセルバンテス賞、2010年にノーベル文学賞を受賞
寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kensuke
4
青春期までの回想は父親不在ながら母方の大家族と一緒で幸せだったボリビア、サンタクルスでの幼年時代の生活部分と「都会と犬ども」描いた寄宿生活後のピウラでのルーチョ叔父さん夫婦家での居候生活部分が特に良かった。他の方のレビューで「小説的」自伝という表現を見たけど、まさに。 大統領選挙を描いた壮年期は、ペルー及びラテンアメリカという社会を理解する大きな手助けになる非常に重要な証言。バルガス・ジョサは良くも悪くもナイーブすぎて政治家向きではないですね。泡沫候補フジモリの追い上げ勝利、事実は小説よりも奇なり。2018/08/20
葛井 基
2
当時既に好きな作家であったバルガスジョサが大統領になるというニュースは衝撃てきだた。いまようやくそのときの経緯が明らかになる。自伝小説であると同時にスラップスティック。面白い。2017/04/05