出版社内容情報
アランソンで一大サロンを築くコルモン嬢をめぐり、水面下で婿の座争いが起こる。老嬢を射止めるのは文なしの老騎士か、中産階級の商人か、貧しく純情な青年か?
コミカルな表題作ほか、「ボエームの王」「コルネリュス卿」「二つの夢」の四篇。
オノレ・ド・バルザック[オノレドバルザック]
著・文・その他
私市保彦[キサイチヤスヒコ]
翻訳
片桐祐訳[カタギリユウ]
翻訳
内容説明
アランソンで一大サロンを築くコルモン嬢をめぐり、水面下で婿の座争いが起こる。老嬢を射止めるのは文なしの老騎士か、中産階級の商人か、貧しく純情な青年か?コミカルな表題作ほか、ルイ11世の宝石泥棒探しを描く「コルネリュス卿」「ボエームの王」「二つの夢」の四篇。
著者等紹介
私市保彦[キサイチヤスヒコ]
1933年、東京に生まれる。東京大学卒業、同大学大学院修士課程修了。武蔵大学名誉教授。専攻、フランス文学
片桐祐[カタギリユウ]
1951年、新潟県に生まれる。早稲田大学卒業、青山学院大学大学院博士課程中退。現在、青山学院大学他非常勤講師。専攻、十九世紀ロマン派(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
123
『老嬢』と言っても40歳の財産のある地方の貴族の女性。彼女の財産目当ての50代の海千山千の男二人と、彼女を愛する若い男1人。こう単純に書いてみると、ありえない展開なのだが…。田舎と言えども、結婚や愛を夢見る貴族には生きにくいフランス社会。『ボエームの王(プリンスなので王子だとおもう)』これを出来れば一緒になろう、なんて条件付きの甘言を信じるものにはもれなく不幸がやってくる。『コルネリュス卿』ルイ11世の関わる真実も交えたような逸話。宝石泥棒の犯人は?ミステリ仕立てで面白い。2018/02/15
NAO
77
『老嬢』のみ。結局、結婚とはタイミングでしかないのだろうか。日々の愛のささやきの積み重ねよりも、女性がデリケートな状態にあるときにうまくその場に居合わせることこそが、女性の心を掴むようだ。つまりは、気取って愛を語っている暇があったら、タイミングを見計らって獲物(結婚相手)を捕まえてしまえ、ということなのだろうか。だが、もちろん、よくよく考えることもなく、ただ気分とタイミングだけで結婚してしまったコルモン嬢には、こっぴどいしっぺ返しが待っている。バルザックは、相変わらず手厳しい。2019/06/17
ヤクーツクのハチコ
3
42歳で老嬢よばわりされるのか、厳しいのう。それとも独身だからではなくて、年相応の知性もなくただ歳をとって中身は子どものままだから「老」けた「嬢」なのか?話としては金と結婚、ブルジョアの台頭など。2017/08/30