フィクションの楽しみ
テラ・ノストラ

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  • サイズ B6判/ページ数 1091/高さ 20cm
  • 商品コード 9784801001299
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

スペイン王家のフェリペ2世や狂女フアナなどの実在の人物たちと、ドン・キホーテやドン・フアンなどの架空の登場人物たちを斬新な手法で錯綜させ、イベロアメリカ全体に影響を及ぼす征服者の悲劇を、旧世界・新世界・別世界の3部構成で物語る世紀の叙事詩!メキシコを代表する作家が残した畢生の大作、待望の完訳!

著者等紹介

フエンテス,カルロス[フエンテス,カルロス] [Fuentes,Carlos]
1928年パナマに生まれ、2012年メキシコシティに没する。父は外交官で、幼少から諸外国を転々とし、1940年代半ばよりメキシコシティに落ち着いてからは雑誌の創刊や小説の執筆など、精力的に文学活動に乗り出す。1960年代以降は「ブームの牽引車」としてラテンアメリカ文学をリードする存在となる

本田誠二[ホンダセイジ]
1951年、東京に生まれる。東京外国語大学スペイン語学科卒業。同大学大学院外国語学研究科修了。現在、神田外語大学教授。専攻、スペイン黄金世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドン•マルロー

19
再読を誓うが、絶対に読み直されることのない本。想像を絶する企図、あまりにも遠い道のり。完全なる円環は、概念的な意味で一周しか辿ることはできない。つまり永遠の過程に読者を誘うのだ。そこにはメビウスの輪的な、甘美な逃げ道も残されてはいない。ドン・キホーテはご承知の通り、定量的な乗り越え点ではない。フェンテスもそのことは重々理解していたはずだ。それにもかかわらず、著者は物語の中でそれを模索することをやめようとはしない、かのように見える。2019/09/22

うさぎさん

14
大変な一冊だった。600ページあたりで、円環を描くのにこんなにも頁が必要なのかと訝しんだが、読了したときにはそれにも納得した。空間、時間、存在、様々なものが入り乱れ、錯誤し、テクストを編み上げていく。理解の及ばない部分が多くあったが、それらは他の部分が補填していく。そのとき分からなくても、読み進めていくうちにいつかは分かる。読み終えても分からない部分はあるが、それはそれでいいのだろう、そんな気にさせられる。とはいえ、フェリペ2世、大航海時代、20世紀末の基礎的な知識はあった方が良かっただろう。2016/06/28

saeta

11
上下2段組、3部構成、1,000頁超、大胆な着想の円環小説を2ヶ月掛かって読み終えました。大半を占める移動が全くないフェリペ2世の逸話が退屈で約半数ある第1部を読み終わった後、この流れで第2部がこのままだったら放り出そうと思っていましたが、舞台は暗黒のスペインから神話的な新世界メキシコに移り、一気に物語に引き込まれ加速しました。第3部のルドヴィゴが3人の子供達とパレスティナからベニスなどへの旅の場面も非常に良かった。再度全てを読み返す事はないかもしれないが、第2部と第3部の一部は読み返してみたい気がする。2017/04/15

みみみんみみすてぃ

11
ついに読み終えた!!!!!素晴らしすぎる。こまかい感想は後日に。2016/08/22

井蛙

10
あまりにも巨大。その法外な巨大さゆえに、ダンテの顰みに倣って〈3〉という調和的な数字(これは物語の構成上の数字であり、時制の数字であり、人称の数字であり、ひいては世界そのものの数字である)に取り憑かれた作家の大作は、果たしてその企図を十全に達成しているのかさえ、一読の限りでは判断がつかない。しかしこの〈我々の大地〉と題された作品(〈我々〉とは何者か、〈大地〉とは何か、がフエンテスの唯一の関心事だ)は、世界の全てを書物の中に閉じ込めてしまおうとする野心によって、たとえ成功作ではなくとも偉大な失敗作であろう。2020/04/22

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