内容説明
2014年、死後40年を経て公刊された哲学的手記「黒ノート」によって“反ユダヤ主義”疑惑が浮上した、20世紀最大の哲学者ハイデガー。ナチス関与問題以来ふたたび世界的な議論を譲すハイデガー哲学の真相/真価を問い直し、現代哲学、そしてわれわれの未来を模索する。
目次
序 主旨と謝辞
第1部 講演―二〇一四年一二月一三日(ハイデガーと「世界ユダヤ人組織」と近代性;「黒ノート」はハイデガーの評価に何をもたらすのか?)
第2部 講演とワークショップ―二〇一四年一二月一四日(ハイデガー「黒ノート」における「反ユダヤ主義」は何を意味するのか;いくつかの区別について;「ハイデガーの思索は反ユダヤ主義的か?」という問いに答えるための一つの試論;ハイデガー思惟と反ユダヤ主義―“論騒”への批判的応答)
第3部 講演とエッセイ(普遍的なものと殲滅―ハイデガーの存在史的な反ユダヤ主義;トポグラフィーの試みを受けて―トラヴニー氏講演考;“キリスト教を克服するキリスト教”としてのハイデガーの思索;ハンナ・アーレントと「反ユダヤ主義」―アーレント『ユダヤ論集』を読む)
著者等紹介
トラヴニー,ペーター[トラヴニー,ペーター] [Trawny,Peter]
1964年生まれ。ドイツ連邦共和国ヴッパータール大学専攻領域2(現、専攻領域A)哲学科博士課程学位取得(Ph.D.)、同大学にて教授資格取得。ヴッパータール大学専攻領域A哲学科教授。専攻、ドイツ哲学
中田光雄[ナカタミツオ]
1939年生まれ。東京大学大学院博士課程中退、パリ大学大学院博士課程修了。Doc.es Lettres(哲学)。筑波大学名誉教授。専攻、哲学・文明史
齋藤元紀[サイトウモトキ]
1968年生まれ。法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。博士(哲学)。高千穂大学人間科学部教授・専攻、哲学・倫理学・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。