内容説明
日本(再)発見。注目のフランス人作家が、南は屋久島、北は宗谷岬まで、その眼と耳と肌で日本各地を味わいながら、異国の神秘に触れてうつろう内面を、率直に綴った美しい“日記”。著者への最新インタビュー収録。
目次
八月 驟雨のあとに煙る藁屋根
九月 台風の日の獅子舞
十月 不気味の谷を歩く
十一月 琉球王国にて
十二月 雪が果しなく
著者等紹介
ファーユ,エリック[ファーユ,エリック] [Faye,´Eric]
1963年、リモージュ(フランス)に生まれる。エコール・シュペリユール・ド・ジュルナリスム(リール)に学ぶ。ロイター通信の記者として勤務しながら、1990年より創作活動に入る
三野博司[ミノヒロシ]
1949年、京都市に生まれる。クレルモン=フェラン大学大学院博士課程修了。現在、奈良女子大学文学部教授。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
9
エリック・ファーユによる日本滞在記。彼は旅を常とするような人々の一人であり、京都に滞在しつつも南は屋久島から北は稚内まで日本中を旅して回る。彼の心は乾いた砂浜のように、日本という雨水を残らず吸い取ろうとする。とてもしなやかで、好奇心旺盛だ。そして小さな出来事のなかに貴重なものを見つけようとする彼の作風は繊細で私はとても好きだ。本作は翻訳がまた良い。こなれた文体という枠組みでは計れないほどに、日本語として端正で読みやすい。ひととき、この旅行記を片手に、まだ見ぬ美しい日本を発見する喜びを得られた。2015/03/06
sibasiba
8
フランス人作家の2012年8月から約四ヶ月間の日本滞在記。京都を拠点としながら沖縄や北海道迄足を伸ばしている。旅に取り憑かれている質の様で他の国の旅行記なんかあったら読みたい。仙台のような百万都市に4,5件の映画館しか無くしかも高いことに驚いていたり、フランスパリにいる官僚の予算削減に対する熱心さに嘆いたりが印象に残った。後は小津映画一作も観たこと無いなとか、トゥーサンの作品昔大好きだったなとか。取り敢えず小説も読んでみよう。2015/07/04
林克也
2
日本に住む日本人として、なかなかこんな旅ができるわけではないが、もし同じような旅をしても全く違うことを感じるだろうな。そこが面白いんだけど。映画や本についての博識(興味の偏向?)も良かった。参考にさせていただきます。2015/01/16
245
1
フランス人が京都にある、フランスの文化センターに滞在したときの日記。異国に4ヶ月という滞在は、住むというには短いが、それが旅情的でとても羨ましい。旅のなかで生まれる感覚は、刹那ですぐに消え去ってしまうもののように思うが、そういう感じをなんとかつかまえて、言葉にしようとしているのが伝わる。2024/06/09
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- 和書
- 志 いまだ老いず