愚者の黄金―大暴走を生んだ金融技術

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  • サイズ A5判/ページ数 393p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532353858
  • NDC分類 338.01
  • Cコード C0033

内容説明

J.P.モルガンのデリバティブチームが創り出した革新的な金融技術CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)。この金融イノベーションは、同じくJ.P.モルガンが開発したリスク評価手法と一体となって世界中の金融機関に広まり、新たな金融市場を切り開いた。CDSは信用リスクを移転し、銀行経営の自由度を高め、金融の新しい時代を開くカギになるはずだった…。信用バブル創出とその崩壊、そして金融危機を引き起こした主犯としてその名が挙げられるCDSは、いかにして開発され、そしてどう利用されてきたのか。なぜ証券化と結びつくことで大暴走が始まったのか。政府、規制当局、投資銀行の経営者や社員たちは、その暴走を予見できなかったのか。東京支局長時代に日本のバブル崩壊を経験した著者が、欧米と世界を奈落の底に突き落とした信用バブル崩壊の舞台裏を、綿密な取材と歴史的証言で明らかにする全米ベストセラー。

目次

第1部 イノベーション(デリバティブへの夢と期待;規制当局との駆け引き;ドリームチーム ほか)
第2部 歪曲から堕落へ(イノベーションの奔流;ダイモン、JPモルガン・チェースのトップに就任;危険な金融ビジネスの増殖 ほか)
第3部 破滅(最初の破綻;パニックの拡大;取りつけ騒ぎ ほか)

著者等紹介

テット,ジリアン[テット,ジリアン][Tett,Gillian]
ケンブリッジ大学にてPh.D.取得(社会人類学専攻)。1993年から“フィナンシャル・タイムズ”紙にて記者として活躍、ソ連崩壊時には中央アジア諸国を取材した。1997年から2003年まで同紙東京支局長。その後イギリスに戻り同紙の名物コラム「LEXコラム」の副責任者。現在は同紙副編集長としてグローバル金融市場面の紙面責任を負っている。2007年には金融ジャーナリストの最高の栄誉「ウィンコット賞」を、2008年には「ブリティッシュ・ビジネス・ジャーナリスト・オブ・ジ・イヤー賞」を、また2009年には『愚者の黄金―大暴走を生んだ金融技術』で「フィナンシャル・ブック・オブ・ジ・イヤー賞」(The inaugural Spear’s Book Awards)を、金融危機の報道でイギリス新聞協会の「ジャーナリスト・オブ・ジ・イヤー賞」を受賞した

平尾光司[ヒラオコウジ]
1939年生まれ。一橋大学社会学部卒業、日本長期信用銀行(長銀)入行。ペンシルベニア大学大学院フルブライト研究員、長銀取締役ニューヨーク支店長、長銀副頭取、長銀総研社長、専修大学経済学部教授などを経て、信金中央金庫総合研究所所長

土方奈美[ヒジカタナミ]
翻訳家。1995年慶應義塾大学文学部卒業、日本経済新聞社入社。日本経済新聞、日経ビジネスなどの記者を務める。2008年に退社、米国公認会計士、ファイナンシャル・プランナーの資格を生かし、経済・金融分野を中心に翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roxy001960

2
技術的に詳細な説明はないようですが、今回の金融危機の全体像がよくまとめられていると思います。大騒ぎしていたときに、なぜかJP Morganだけ損失をこうむっていないので、不思議に思っていましたが、本書を読んで納得しました。同じ業界でも、会社によって、社風が全然違うんですよね…。2010/03/16

メルセ・ひすい

2
12. 20 ケンブリッジの正統派・ 超美人ブロンドPh.D.ジャーナリストF.T.元日本支局長。によるプロ用金融技術の誕生から破たんまでの顛末記。注! 低俗な知識では歯が立ちません。へー・・ では済まされないんです。勉強しましょう。・・アングロ野郎・・奴らのやり口と強欲さを! 大暴走はなぜ、止められなかったのか? 英国『フィナンシャル・タイムズ』誌のトップジャーナリストが、欧米と世界を奈落の底に突き落とした信用バブル崩壊の舞台裏を、綿密な取材と歴史的証言で明らかにする。2010/01/18

矢頭

1
リスク・時価評価難しいものを実需以上に持つと、企業であれ個人であれ、逝くときはあっという間。よい戒めに。レバレッジ規制と子会社管理は重要。2015/10/14

Hideki Ando

1
CDSからCDOまで、サブプライムショックを引き起こした原因を当事者たちのインタビューを中心に時系列的にまとめられている。ノンフィクション小説としてもかなり面白い。ただ、内容的にはそこそこ高度で、理解するためにはある程度の金融に関する知識が必要だとは思う。2012/12/29

rinichiro

1
「何が、どのように濫用されて、何が起きたのか」がやっと見えてきた。//この辺りのことは正直、良く分からなかったので、とりあえず「デリバティブ商品は全部インチキ」「銀行屋は詐欺師。でなければ間抜け。」ということにして放っておいたけど、そもそもの出発点は本当に画期的なものだったんだなあ。2011/01/15

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