内容説明
「無」に向き合い、自己に向き合う―。何事にもとらわれない何物にも流されない真の自己を確立するための知恵。禅の入門者必読のバイブルをやさしく解説。いま置かれている場所で自己の最善を尽くし切るヒント。
目次
第1講 一度自己を無にしてみる(世の中の変化にとらわれずに変わらないものを学ぶ;四十八問の禅の問答を取り上げた『無門関』 ほか)
第2講 真実の自己を確立する(一呼吸一呼吸に全意識を集中して取り組む;因果の法則からは誰も逃れることができない―第二則「百丈野狐」 ほか)
第3講 主体性を持つ(仏教は絶対者の存在を否定している;明確な意志と工夫の意欲が自己を磨いていく ほか)
第4講 生死の一大事(人間の生は死によって成り立っている;自由自在に動き得る生命体が体を動かしている―第八則「奚仲造車」 ほか)
第5講 理想を掲げて現実を生きる(無意識の領野にすべての情報・記憶が蓄積されている;できるだけ良い種を蒔くことが人生の意味になる ほか)
著者等紹介
横田南嶺[ヨコタナンレイ]
昭和39年和歌山県新宮市生まれ。62年筑波大学卒業。在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。平成3年円覚寺僧堂で修行、足立大進管長に師事。11年、34歳の若さで円覚寺僧堂師家(修行僧を指導する力量を具えた禅匠)に就任。22年より臨済宗円覚寺派管長。29年12月花園大学総長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Arata Fujimura
1
横田氏の解説は、ひろさちや氏ほど砕けてないけど親しみやすく、自分にちょうど良かった。無門関の則を起点に、禅や仏教、それ以外の詩を数多く引用してくれるおかげで、幅広い視点で禅を感じることができた。分別の現実世界から空の無分別の世界を経てまた現実の世界に戻る。禅は特別なことではなく、日常の営みにこそあるけど、そこに安住せずに無心無我でひたすら打ち込む。この辺りにアジャイルを感じられた。2024/09/22
中桐 伴行
0
初めて無門関に関する本を読んだ。飛行機の中で一気に読んだ。横田老師のわかりやすい解説があってのことかもしれないが、もう一度しっかり読んでみたいと思った。最後に書いてあったが、この無門関自体が過去の逸話などを受けて無門慧開老師が書かれた本らしいので、聞いたことがある逸話がたくさん出てきたのも読みやすいと感じた一因かもしれない。岩波文庫に全文があるらしいから見てみようと思う。2024/10/03