ハヤカワ文庫<br> 時空の支配者

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ハヤカワ文庫
時空の支配者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150110925
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

自前の会社が倒産して以来、いささか人生に退屈していたぼくの前に突然、拇指サイズの小人が出現した。小人は悪友のハリイ・ガーバーで、自分が時空支配装置を発明したことを告げるために未来からやってきたのだという。これで世界はぼくらのもの、と喜んだまではよかったが、時間と空間をもてあそぶうち、危険な寄生頭脳をこの世に招き入れてしまった。鬼才ラッカーの奔放なアイデアが大爆発する、ポップなSF狂騒曲。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

54
少しディックに似ているという評をどこかで見て以来ずっと興味があったラッカー。邦訳が未完で終わっているのが気になって積みっぱなしのウェアシリーズもいずれ読もうと思う。めちゃくちゃ面白かった。プランク定数をはじめとする数学的知識を下敷きにあまりにもばかばかしい喜劇が繰り広げられる。正直そのプランク定数うんぬんの理屈はわたしにはあまりよくわからない代物なのだが、それでもじゅうぶん楽しめた。このぐちゃぐちゃしたポップでマッドなあんばいはラファティをはじめて読んだときの感覚に似ている。真顔でしょうもないことをしてみ2018/12/20

kochi

18
かつての同僚ハリィの姿の小人が現れ、「時空の支配者」となる装置を発明するために、週末に来てくれとの依頼をうけたフレッチャーは・・・ ペロー童話の「三つの願い」を、量子力学の飾りつけでハードSF的に料理し、数理論理学者らしい論理のお遊びを混ぜ合わせた感じで、上質なできあがり。主人公の配偶者の冒頭のグータラぶりから想像できない最後の活躍で、三つの願いのおとぎ話の疑問をスマートに解決。何度か話題にしている『アウターゾーン』の「猿の手」と同じくらい秀逸である。吾妻ひでおの絵の表紙の新潮文庫版もよさそう。2019/09/11

サト

5
初ルーディ・ラッカー。時間と空間を超越して精神寄生体から追われたり、性転換するポップなSF狂想曲。題材は興味深かったものの、ここ数年の読書体験では稀に見る何の実にもならない内容だった。軽く読めるドタバタ冒険劇としては、二転三転していくのは良い。しかし軽薄な会話からは、偏見かもしれないが、アメリカ人の悪いところを凝縮したような詰まらなさが目についた。下品さにも中身が欲しい。格好つけた章題が話とほとんど関係ないのも逆効果だった。ゴジラが襲ってくる序盤の理論は驚かされて掴みはばっちりだったが、その後の全てが残念2012/10/03

roughfractus02

4
重力が量子力学に影響される最小粒子の大きさプランク長をべき乗的に拡大すれば、世界は不確定性に満ち、意志がそれらを自由に操れる。その時意志はどうなるのか?本書では意志自身が転倒し、ふと、はずみで作動して暴走を始め、物語はスラップスティック的喜劇となる。作者はそれを常識的なジョーと狂気じみたハリィとに区別し、パラレルな世界に行くことを望むハリィの意志自体を暴走させる。そして読者は、別世界から連れてきた脳髄状生物に追われ、はずみで女性化するハリィに、自らの自由意志なる錯覚を量子世界的小ささとして突き放し、笑う。2018/10/30

Mark.jr

3
<ジョージ・フレッチャーとハリー・ガーバーは時空を支配する発明を完成させる。これで人生バラ色とはならず、案の定世界はメチャクチャになっていく...。> 奇想というか大ホラ話と呼びたくなる、シッチャカメッチャカやドタバタSFです。万物は縮んでいるから未来から来た人間は小さいという、むちゃくちゃな理屈には笑うしかない。2021/05/27

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