内容説明
戦後思想とか戦後教育の問題は、すべて占領軍の目を気にしたおびえのような自虐意識から生まれてきています。その原点をきちんと実証的に解明して、「それは誤解である」ということを世界に向かっても日本人に向かっても明らかにして「日本を取り戻し」たいというのが、私が本書を書いた一つの目的です。
目次
序章 敗者を裁いた占領軍の目
第1章 中国の『菊と刀』ブームの実態と歴史的背景
第2章 「義眼」の原点にあったルース・ベネディクト『菊と刀』
第3章 ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム―その源流と展開
第4章 今、日本の子供と親に何が起こっているのか
第5章 「義眼」からの脱却に向けて―親学の推進と転機
第6章 「日本再生」への取り組み―「義眼」から脱却するために
終章 占領文書二百五十万ページ研究への挑戦と成果
著者等紹介
高橋史朗[タカハシシロウ]
昭和25年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院修了後、スタンフォード大学フーバー研究所客員研究員に。政府の臨教審専門委員、少子化対策重点戦略検討会議分科会委員、自治省の青少年健全育成調査研究委員会座長、埼玉県教育委員長などを歴任。現在、明星大学教授、一般財団法人親学推進協会会長、政府の男女共同参画会議議員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
0717
21
謝った認識によ著述されたルース・ベネディクトの「菊と刀」を下敷きにしたGHQの占領政策、WGIP。これにより日本人は「義眼」をはめ込まれた! 「戦後思想とか戦後教育の問題は、すべて占領軍の目を気にしたおびえのような自虐意識から生まれています。その原点をききちんと実証的に解明して、「それは誤解である」ということを世界に向かっても日本人に向かっても明かにして、「日本を取り戻し」たいというのが、私が本書を書いたひと一つの目的です。」2015/06/27
アキ
14
GHQの占領政策として「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と名付けられた、日本人に戦争犯罪の意識を刷り込む情報宣伝計画。それにより戦後日本にもたらされたのが自虐史観であり、平成の今も教育現場が荒廃する発端ともなったとする本書。現状こそは日本人自身の責任とも思うのですが、自虐史観を植え付けたのは、他ならぬ『日本人』であるとする著者の意見そのままの現実を見るにつけ、地下水脈として繋がっているのかも?と思ってしまう。2014/10/12
おおにし
14
戦後、GHQが占領政策として我々日本人に義眼をはめ込んだという話は真実だと思うし、義眼からの脱却が急務であることは否定しない。しかし、教育勅語の復活とか、「河野談話」の取り消しから始めるというのはいかがなものか。日本人がすべきことは洗脳を仕掛けた米国と対等な立場を得ることではないか。いくら日本の伝統や誇りを取り戻すぞと頑張っても、日本国内に米軍基地がある半占領状態の今の日本で民族の自立が可能なのだろうか。日米安保体制からの脱却こそ日本再生の最重要課題なのでは?どうせならそこまでタンカ切ってほしいなあ。2014/07/18
きむロワイヤル
7
前半記述のGHQの方策として、日本が再び戦争を行うことが無いよう、制度的にも、精神的にも楔を打つ必要があり、一つは憲法であり、もう一つは歴史観の捏造であったことはこの本を読んでよくわかった。ただし、後半のそれに対する対策はちょっと同意できない内容が多く、読みづらかった。よきにつけ悪しきにつけ、愛国史観を持つことは、どの国の国民でも必要だが、それを捨てるよう推し進めてきた日教組とマスコミは断罪されるべきであろう。2014/12/15
ちなつパパ
7
米国の機密指定解除により公開されている「占領文書」の調査・研究に裏打ちされた本書の内容には説得力がある。WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)「日本人に戦争犯罪の意識を刷り込む情報宣伝計画」が、偏見と誤解を含んだ「菊と刀」に代表される文書に基づいていたことは、あまりに悲劇である。インターネット社会の浸透や本書のような著作により、日本人がその文化・歴史・伝統に対する自信を取り戻す日がすぐそこにやって来ていると信じたい。2014/03/12