母権論―古代世界の女性支配に関する研究 その宗教的および法的本質〈2〉

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  • サイズ A5判/ページ数 596p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622037903
  • NDC分類 362
  • Cコード C3036

出版社内容情報

エジプト(続)、インド・中央アジア、オルコメノスとミニュアイ人、エーリス等に見る母権制。

内容説明

バーゼルのローマ法史家、バッハオーフェンは、尨大なギリシア・ローマの神話伝承に、集団記憶としての歴史記述を読みとり、古代世界に母権制社会の存在を発見した。法律的な面でも、性的な面でも、父権制とは全く異質の秩序が、本書の浩瀚な引用テクストに展開される。アプロディーテー的乱婚制・娼婦制の時代から、デーメーテール的母権制の時代、そしてアポローン的父権制の時代へ、この移行の3段階が、第1巻のギリシア、エジプトにつづき、第2巻ではインド、中央アジア、エーリスに検証される。

目次

エジプト(法と女性的自然原理、特に法とイーシスとの関係から見た女性支配観;こうした思想のもつ普遍性と女性的二による数表現この太古の物質的・母性的法の原理についての解釈 ほか)
インドおよび中央アジア(カンダケーのメロエー‐インド的属性がインドの女性支配的状況から説明されること特に「パンダイア族」に関する証言のまとめ;続き インドおよび中央アジアの女性支配的状況についての別の報告;両性関係にかかわる若干の現象の考察 ほか)
オルコメノスおよびミニュアイ人(オルコメノスの「アイオレイアイ」の神話、およびそこに見られるミニュアースの母権制とディオニューソス教の対立 ほか)
エーリス(エーリスの谷・ピーサーティス・トリピューリアの三地方の区分エーリスのエペイオイ人の地にまつわる伝説の内容およびそこに見られる母権制の名残りの証明特にモリーオネーの息子たち;同じ考察の続き エーリスにおけるヘーラクレース的原理の敗北 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

10
母権制から父権制への移行は、物質性から精神性への上昇と解釈され、ドイツ観念論的歴史の発展の法則に則ったものとして承認されてる。母権制は男性を精神的にすることに貢献した弁証法的歴史の一段階であり、すでに乗り越えられてる。にもかかわらず、本書の幅広い影響力は、ビスマルク帝国という父権制に抵抗する人々によって、むしろ母権制の現代的意義を再評価するような思想を促した。そう読まれるだけの理由があって、母権制は反進歩的で血腥いとされながらも、秩序と平和、節度などとも結びつけられてる。著者自身が両義的感情を抱いてる?2023/06/11

鏡裕之

0
父権制の前に、母権制が存在した――そのことを、ギリシア神話やヘロドドスなどから説明していく一冊。だが、説明しすぎ。10頁でこの本の主張は言い表せるにもかかわらず、訳本にして3冊も費やす無駄な饒舌。こういうところが、専門の学者ではない。いっぱい調べたから、いっぱいしゃべりたかったのだろうけど、読者としてはいい迷惑。母権論ではなく、冗長論と名付けたくなる。2014/02/23

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