内容説明
野山獄に捕われた松陰が、長年、獄にある囚人たちに、「孟子」の講義を始めた。その講義録が「講孟箚記」である。「孟子」の言葉に拠る松陰の講義はやがて囚人たちの心を打ち、牢獄が学び舎になっていった。いつ、どこであろうと学ぶことを忘れなかった松陰が、牢獄で刮目した「孟子」の言葉。
著者等紹介
川口雅昭[カワグチマサアキ]
昭和28年山口県生まれ。53年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。山口県立高校教諭、山口県史編さん室専門研究員などを経て、平成10年岡崎学園国際短期大学教授。12年より人間環境大学教授。吉田松陰研究は18歳の頃より携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kayak-gohan
36
先月より購読を始めた月刊誌「致知」の購読記念で贈呈された。本書の原典は、野山獄に投獄された吉田松陰が獄内の囚人たちと「孟子」の勉強会を行ったときに使った講義録「講孟劄記(こうもうさっき)」である。人徳の根本である仁の考え方をはじめとして義・礼・忠・孝の徳目が例え話で分かりやすく説かれている。難解な漢語を平易な言葉でわかりやすく伝えようとする松陰の教育姿勢も感じ取れる。折に触れてまた開いてみたい一冊。2015/03/04
森林・米・畑
15
2022年1月からコツコツと。これも難しかった。昔の政治を司る者の例えが多く、身近に感じられなかった。吉田松陰先生が、孟子を教材に獄中の囚人たちに講義をしたもの。学ぶ事が囚人たちの心を打ち、牢獄が学び舎となったのは凄いと思った。2022/12/07
かず
15
5月20日から読み始め、まだ1年経っていないが、他の「一日一言」シリーズと合わせて読書管理しやすいよう、12月末で記録する。本シリーズを16冊始業前に読むのを日課にしている。本書は、吉田松陰の「講孟箚記」から抽出している。今年は13枚の付箋が付いた。最も印象に残ったのは、11月24日「仁人は天下に敵なし」でした。全ての存在に対して思いやりを持つ。そうすれば、敵などというものはいなくなる。言うは易し行うは難しですが、来年はまず、人それぞれの立場というものに、より一層配慮することに努めたいと思いました。2019/12/25
芸術家くーまん843
4
吉田松陰が刮目したという『孟子』の中から松陰が選んだ名言をまとめ解説。かつて松陰は野山獄に捕われた際囚人たちに孟子の講義をしたらしくその講義録が講孟箚記という書物にまとめられていたものをもとに現代語訳してわかりやすく解説している。さすがは松陰が愛した孟子、自己修養にはもってこいの一冊。2014/02/03
アイマール
1
正しい仁義の道を行っている者には、自然と助けが多い。2020/09/18