出版社内容情報
──「序章」より (一部編集のうえ抜粋)
「ダメな会議が抱える根本的な問題は、“わからなさ”から逃げることにあります。
複雑で正解のない問題を既知の枠組みで無理やり単純化したり、
不確実性を避けて安全な領域に留まろうとしたりする。これが創造性を阻害し、
価値のない会議を量産しているのです。(中略)
本書で提案するのは、全く異なる視点からの解決策です。
“わからなさ”を排除するのではなく、積極的に活用し、そこから新たな価値を創造する
「“わからなさ”をデザインする」というアプローチです。」
【内容紹介】
会議につぐ会議で忙しく、効率化に取り組んでも、なぜか忙しさが解消されない――。
この現象の背後には、会議の「量」ではなく、「質」の問題が隠れています。
昨今は正解のない「厄介な問題」が生じ、問題解決が難しくなっているのにもかかわらず、
根本原因に手を付けず、表面的で対処療法的な議論ばかりを繰り返してしまうのです。
本質的な問題解決を先送りせずに、価値を生む会議へと、会議の質を変える必要があります。
そのためには、「対話(議論)による価値創造のための会議のつくりかた」である
「クリエイティブファシリテーション」が必要です。
熟達したファシリテーターのセンス、実践知を、覚えやすい一覧性と、適度な抽象度のある
「パターン」で提示します。
28の「パターン」を参照し、実践を繰り返すことで、例えば
「参加者が口にしない本当の想いや葛藤は何か」
「この瞬間に場が求めている根幹的な問いかけは何か」
「いま生まれつつある新たな意味の兆しをどう捉えるか」といった、
技法やフレームワークを超えた、その場の状況を瞬時に感じ取るセンスを磨くことができます。
【目次】
はじめに
1.会議を効率化しても、なぜ忙しさは変わらないのか?
2.著者がこのメソッドに辿り着くまで
序章 いまの会議のほとんどは不要である!
1.危険な会議7つの兆候
2.なぜダメな会議が量産されるのか?
3.「価値ある会議」ならできること
4.“わからなさ”に向き合うことで「価値ある会議」へ
5.この本で、あなたの会議はこう変わる
第1章 クリエイティブファシリテーションとは?
1.クリエイティブファシリテーションの定義と特徴
2.【わかりやすくまとめる】VS【“わからなさ”をデザインする】
3.クリエイティブファシリテーター3つのマインドセット
第2章 価値創造を促す4つのフェーズとファシリテーターの役割
1.価値創造を促す「4つのフェーズ」
2.価値創造の土台となるテーマ設定
3.4つのフェーズの進み方とファシリテーターの役割
4.実践事例:生産技術部門の戦略ストーリーづくり
第3章 ファシリテーションはセンスが決め手
1.スキルVSセンス
2.センスの正体と磨き方
第4章 切り札としてのパターン・ランゲージ
1.パターン・ランゲージという突破口
2.なぜセンスを伝授できるのか
3.パターン・ランゲージ活用の可能性
第5章 クリエイティブファシリテーションパターン
1.パターン・ランゲージの構成と読み方
2.効果的な活用のしかた
3.28のクリエイティブファシリテーションパターン
4.パターンを現場で使うときの留意点
第6章 クリエイティブファシリテーションを支える3つの理論
1.実践から理論へ─なぜ"わからなさ"が力になるのか?
2.ネガティブ・ケイパビリティ
3.アブダクション
4.コレスポンダンス
5.知・情・意で読み解く創造性
第7章 クリエイティブファシリテーション導入についてのQ&A
《クリエイティブファシリテーション組織導入ガイド》
ポイント1:基本設計
ポイント2:組織適合性の検討
ポイント3:運用設計
ポイント4:現代的課題への対応
おわりに



