歴史新書y
中世島津氏研究の最前線―ここまでわかった「名門大名」の実像

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  • サイズ 新書判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800315489
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0221

出版社内容情報

中世島津氏の研究は、ここ20年ほど低調な状況が続いた。それでも、東アジア諸国との交流・関係史研究の進展にともない、九州南端に位置する島津氏やその領国下諸勢力が、日明・日琉交易で果たした役割が明らかになるとともに、幕府や中央(畿内)諸権力との関係、南九州海域の海上交通・流通支配の状況も研究が進んでいった。また、島津氏権力そのもの、あるいはその領国支配についても、領国内諸階層との関係を中心に、従来の近世薩摩藩によって形成された史観を克服しつつ、新たな歴史像が構築されつつある。本書では、こうした研究状況をふまえ、分かりやすく、近年の島津氏の研究動向を解説する。

内容説明

ルーツは、本当に源頼朝なのか?一族統制・領国支配・外交・交易など多角的テーマを集合!鎌倉期以来、700年続いた秘密に迫る?

目次

第1部 島津氏の系譜と分国内の諸勢力(御一家・国衆・御内―一族の統制に苦悩した「島津本宗家」の変遷と諸勢力;日向伊東氏と「三州太守」―守護職をめぐり、島津氏に対抗意識を持ち続けた伊東氏 ほか)
第2部 島津氏の外交政策(島津氏と室町幕府・朝廷―中世後期の島津氏は、室町幕府・朝廷に何を求めたのか?;島津氏と対外政策―南北朝・室町期、島津氏の「明・朝鮮外交」の実態とは? ほか)
第3部 島津氏権力の領国支配の特質(南九州の海上交通支配―十六世紀、島津氏は港津・交易をいかに制御していたのか?;島津氏の宗教政策―中世以来、修験道・真言密教に慣れ親しんできた島津氏 ほか)
第4部 近世大名島津氏への移行期(島津義弘と朝鮮出兵―朝鮮出兵における島津氏の異国認識;豊臣政権と島津氏―苦難の時代に変革を成し遂げた「三殿」の支配体制とは? ほか)

著者等紹介

新名一仁[ニイナカズヒト]
1971年宮崎県生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学・東北大学)。現在、鹿児島大学・志學館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

16
30島津家の成り立ちや琉球との関係そして豊臣政権下での混乱を章に分けて解説しています。島津家は沢山の○○家があり主導権をめぐって争いが多かった。朝鮮では朝鮮農民達を上手く扱い安定させる事に長けていて朝鮮や明から戦闘力だけではなく統治能力でも恐れられていた。島津軍は先鋒を任され主力部隊に位置づけられていた。鬼石曼子は創作らしい明・朝鮮では鬼は幽霊なので意味が合わない。義弘は当主というより名代が近いようです。2022/04/13

MUNEKAZ

13
中世島津氏研究の到達点を示した一冊。薩摩藩の修史事業で見えなくなった内訌や御家騒動、琉球や朝鮮との関係など様々なテーマを扱う。「敵中突発」や「鬼石曼子」といったわかりやすい物語から離れ、実際の島津氏の姿を知るにはうってつけの内容だと思う。個人的には伊東氏との日向国を巡る攻防が知れたのが収穫。近世以降はだいぶ差がついたが、室町時代末期は同格のライバル感があって興味を惹かれるところである。2021/08/20

gauche

5
領国内の勢力、外交、領国支配、近世への移行などについて3つずつ小論を載せている。各先行研究の流れがきちんと追えるところが良い。2018/09/25

竜玄葉潤

4
中世島津というと、何か特別感があるが、実はそうでも無い。強いけど、実はそれほどでも無い。実は、幕末薩摩による上げ底感が強い。歴史としては面白いんだけどね。2023/09/08

Kiyoshi Utsugi

4
新名一仁の「中世島津氏研究の最前線」を読了しました。 島津氏といって知ってるのは、幕末の頃の島津氏(「篤姫」で扱われていた時代)と関ヶ原の戦いにおける島津義弘の敵中突破ぐらいで、知らないことだらけでした。 初代は、鎌倉時代の島津忠久までさかのぼる非常に歴史のある一族だったのですね。 これを読んで、また志布志城や知覧城、佐土原城に再登城したくなりました。2018/10/08

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