内容説明
秀吉軍は大雨で山崎の戦いに間に合わなかった?蒙古襲来時に神風は吹かなかった?当日の気象データと歴史資料を合わせることで、意外な真相が見えてくる!!
目次
第1章 信長は雨を予想していたか?―桶狭間の戦い(雨が降らなければ負けていた?;信長の奇襲を助けた風雨 ほか)
第2章 秀吉伝説の真相―本能寺の変と中国大返し(百韻連歌会当日の天気;備中高松城水攻め ほか)
第3章 霧は勝敗を左右したのか?―関ヶ原の戦い(天気にこだわった司馬遼太郎;関ヶ原の戦い当日の天気 ほか)
第4章 神風は吹かなかった?―文永・弘安の役(神風言説の誕生(文永の役)
神風論争(文永の役) ほか)
第5章 稲村ヶ崎の伝説―鎌倉幕府滅亡戦(稲村ヶ崎の石碑;かなりあやしい『太平記』 ほか)
著者等紹介
松嶋憲昭[マツシマノリアキ]
1954年、福岡県生まれ。九州防災エキスパート会会長、気象予報士。東京大学工学部卒業後、建設省(現国土交通省)入省。主に、道路行政に携わり、2008年退官。気象予報士と建設のキャリアを活かして、全国で防災技術などについての指導・講演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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楽
8
元寇の神風以外は立ち読みするまでもないか。第1章は著書『桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう』の修正になるようだが、この程度なら書かなくてもよかったのでは。藤本正行などの先行研究は踏まえるべきかと。太田牛一『信長公記』を「織田家に都合の悪いことは書いておらず」と貶め、史料からは戦功も詳らかでない「簗田出羽守」や史料的価値が疑わしい『武功夜話』をベースに桶狭間を論じられても。第3章も乃至政彦・高橋陽介『天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった』の読後では読む気が起きず。『当代記』の記述(原文の引用)は貴重かも。2018/06/06
ふたば
4
軍記物を著すには、現実をそのまま記述したのでは、血沸き肉躍るものにはならないだろう。例えば、関ケ原の合戦をとっても、より物語を持たせ、生き生きとさせるためには、ある程度エピソードの追加や、脚色が必要になる。裏切りの事実一つにも、どれだけの表情を付けられるかが、著者の力の見せどころとなる。しかし、後年になってその軍記物の内容が独り歩きして、歴史を奇妙なものにしてしまうのは残念だ。事実を一つ一つ積み上げ、信用できる内容を拾い集めることで、本当の歴史が見えてくる。これもまた、ワクワクする面白さだと思う。2018/06/14
パパ
2
桶狭間の合戦、中国大返し、関ヶ原の合戦、元寇を気象の観点から検証した内容。文永の役は神風で撤退したのではなく、戦術的撤退をした後に風が吹いて被害が出たという結論。2023/06/03
こばこ
1
気象予報士が歴史書を読んで、気象の視点で合戦を見直す、という発想はそこそこ斬新。しかし、歴史学は著者の専門ではないなかで、自ら読み進める姿には不安があり(説の選定に偏った恣意を感じる)、加えて専門に近いはずである気象の部分にもいくらか誤謬があり、歴史・気象双方に疑義が。話半分で読んだ方がいいのかと感じたところ。本職の歴史学者と、本職の気象学者がコラボした考証なら、これよりもっと地に足が付いたものになるのだろうと思い、そうしたものの登場を願いたくはなったかなと。(なかなか忙しくて互いに無理そうでしょうか)2020/02/15
Atsushi
1
桶狭間の戦い、元寇、関ヶ原の合戦など様々な合戦を、気象にフォーカスを置き分析していくといったような内容。個人的には、桶狭間の戦いや秀吉の高松城の水攻めの話は特におもしろかった。2018/07/16