出版社内容情報
なぜ人は厭な映画を観たいと思うのか。人はハッピーエンドだけでは生きられない。なぜ、わざわざ悪意に晒され、失恋に傷つき、人生に絶望するような映画に惹かれてしまうのか。気鋭の評論家がその気持ちを紐解きます。
内容説明
後味が悪い、救いのない映画。そんな映画に惹かれてしまうのは何故だろう?気鋭の映画評論家が挑む、衝撃のバッドエンドムービー評論集。タイミングの悪さ、先の見えない絶望、イヤな女に子供の不幸、そして美しい残酷で彩られた国々の映画。後味の悪い映画を分類し読み解くことで、映画の新しい魅力を導き出す。
目次
第1章 バッドエンドの誘惑(タイミングが悪い;神は人の上に人を作った;絶望の長さ;侘しさ―;報いなし)
第2章 世界イヤ映画紀行(韓国イヤ映画紀行;メキシコイヤ映画紀行;イギリスイヤ映画紀行;オランダイヤ映画紀行;オーストラリアイヤイヤ映画紀行;デンマーク映画紀行)
第3章 女とこども(バックステージの闇;イヤな女の顛末;ハイミスの悲劇;幼女の嘘で村八分;こどもの受難;死を招く愛)
著者等紹介
真魚八重子[マナヤエコ]
愛知県生まれ。映写技師や派遣社員を経て、現在は映画著述業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
88
帯の”映画に幸せはいらない”いい響きである。やはり読んでいるとその映画を観たくなる。完全に策略にはまってしまっている。2017/07/18
HANA
56
現実だと弱いものから食い物にされていくし、ちょっとしたタイミングで人生は悪い方へと転がっていく。映画もまた然り。という事で嫌な映画を紹介した一冊。紹介は軽めながら内容は欝々。いかにもな嫌な映画は未収録という事で、「ダンサーインザダーク」も「ドッグヴィル」も「ファニーゲーム」も紹介されていない徹底ぶりが光る。だからか知っているのは「ミスト」「ウィッカーマン」くらいで、それ以外ほぼ未見。「偽りなき者」や「シージャック」は文を読む限り、全編是鬱という感じなので興味は惹かれるものの見たいような見たくないような。2017/07/13
眠る山猫屋
52
「他人の不幸は蜜の味」という要素よりも、残酷な現実を乗り越えていく、あるいは越えられなかったリアルの前に立ち尽くす主人公への共感。それこそがイヤな映画が与えてくれるものだ。目を背けたくなるような作品にも、得るものはある。センセーショナルな帯に騙されてはいけない。筆者の醸す仄かな優しさが、淡々とした語り口から滲む。観たい映画が増えたなぁ、体力を削られるだろうけれど。2021/09/19
梟をめぐる読書
11
映画ライターとして独特な地位にある著者が、自身の映画体験を基に「厭な映画」について紹介していく。少し前に流行した「イヤミス」と同様の切り口。『ミスト』(07年)のようなバッドエンド的な嫌さから『サンセット大通り』(50年)→『マルホランド・ドライブ』(01年)のような映画界の裏話的な厭さまで「イヤ」にも種類はあるが、その方面の映画好きならグサッと来る作品が必ず一本はあるであろう。最新作の『ヒメアノ~ル』(15年)にまで触れてくれたのは嬉しいが、構成上あらすじの割合が多かったので、もうひとつ読み足りなさも。2017/03/08
7月生まれ
9
自他ともに認めるイヤミス、イヤ映画好き。とはいえ、イヤ映画とわかっているものを見るには勇気もいるので、たくさんのイヤ映画のあらすじがわかるのはありがたかった。個人的には「マルホランドドライブ」と「パンズラビリンス」がイヤ映画に選別されているのと、自分的イヤ映画ナンバーワンの「ゴーンガール」が入ってないのが以外で、「イヤ」に対する自分の感覚が少しおかしいのかなと思ったり。グロは苦手なので韓国映画はおもしろそうでも用心しようと思ったけど、でも、あれもこれも「観てみたい!」とわくわくさせてくれた一冊でした。2017/09/10
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