出版社内容情報
知られざる将兵たちの戦場での日常生活を明らかにする。2010年発売新書を増補改訂。
内容説明
私たちの日常生活には、戦国合戦に由来する言葉や慣習がなお生きている。その代表が「陣」である。出陣・退陣・本陣・陣羽織・陣中見舞い―。戦国合戦の舞台裏に近づく方法は、この「陣」に注目することである。
目次
第1章 いざ敵地に出陣す!
第2章 意外とままならぬ進軍
第3章 兵粮・軍需物資の補給・確保
第4章 陣地内での生活は規則正しく
第5章 対陣と防御、そして決戦
第6章 退陣の作法と後始末
付録 合戦の後方支援と「陣取」
著者等紹介
盛本昌広[モリモトマサヒロ]
1958年横浜市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。現在、歴史研究家。専攻は日本中世・近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翠埜もぐら
11
大河ドラマには絶対出てきそうもない「合戦」の始まりから終わりまでの「実務」の話。会社で言うと庶務課のお仕事。前々から「兵糧の調達はどこでするのか」とか「糞尿の始末は」とか、人間としての営みに欠かせないのに表に出てこないことが歯がゆかったのですが、一部分とはいえ氷解して面白かったです。電話もない時代にどうやって人を集めたのか、布陣地として接収する方とされる方の攻防、道を拡張し仮城の建設。しかし相手の経営基盤を壊すために敵領の田畑を刈り取ったり掘り起こしたりとは、ほんと今も昔もひどい目に合うのは一般民衆ね。2021/09/23
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
4
2010年刊。2016年に洋泉社新書版として増補。戦国時代の実態を「陣」を中心に論じている。実戦以前に軍隊が通る道、食料、陣取り、陣中の規則、排泄物の処理、撤退。以前読んだ考証家の本ともまた少しずつ違い、徐々に明らかになっていくようだ。気になった点としては本能寺の変は信長の油断ではないこと。大部隊で上洛することが非現実的であることはこれを読めば分かる。増補版の後書きには、秀吉の「中国大返し」が異常な進軍速度だということが全くの誤りだとされている。→続く2020/12/31
wang
1
戦そのものよりも、軍が動くことで必要になる色々なこと。陣を張るのに必要なこと、移動に必要なこと、兵糧の調達方法、禁令など。実務面がわかると面白い。2020/04/21
鈴木誠二
0
面白い! 表紙の「糞尿の処理はどうしたのか?」で即購入! 情報伝達、進軍の苦労、兵站、後方支援等々、オイラの知りたかったことの多くが書いてあって実に満足!2017/11/25
こ~じぃ。。
0
現代の選挙も戦国合戦の様式を踏襲しているそうな・・・2016/11/17
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