内容説明
血まみれホラー、アブノーマル・エロス、パチもん怪獣、トラウマ暴力!1980年代、狂乱のレンタル・バブルの中で咲き乱れ、ブームと共に消えた下品でイカれた未公開ビデオの数々。誰にも顧みられず、再評価もされず、消えていった時代の仇花への鎮魂歌!
目次
第1章 イカレた血まみれホラー天国
第2章 容赦なき暴力の嵐
第3章 男の娯楽肉弾戦
第4章 GOGO!お色気路線
第5章 倒錯と戦慄!世界の異常性愛路線
第6章 ショック!残酷!ヤラセ・ドキュメント
第7章 徹夜で観ようよ、激安SF
第8章 激安怪獣怪人動物ビデオ総進撃
第9章 幻の傑作・名作物件
第10章 晴れて復活、殿堂入り
最終章 ワゴンセールの日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
59
大体80年代に繚乱と咲き誇ったレンタルビデオの数々。今では想像できない変な熱とカオスがあった事を何となく思い出させられる一冊。紹介されているのもホラーからエロスまで際限無し、ほぼB級からZ級までという潔さ。ほとんどが絶版で今や見ることが出来ないと知ると、妙に名作が多いような気分にもなってきます。こういう熱に浮かされたような一時代の記憶としてもお勧めである。あと自分も90年代だけど映画借りまくった時期があり、そこで見たものは確実に血肉になっているような気がする。なっているのは間違いなく贅肉の部分だろうけど。2018/09/18
トラシショウ。
23
80年代。まだ「レンタルビデオ屋」が言葉通りにビデオテープを貸出していた頃、映画を高額を支払い映画館で観るお高い娯楽から、安価で最高一週間レンタル出来、借り手のつかない作品は店頭のワゴンセールで一本百円で叩き売られる、悪趣味で猥雑な、見世物小屋としての新たな価値観を見出された頃。あの頃毎月大量に入荷して、いつの間にか消えていた如何にもつまらなそうなC級の駄作やZ級のクソ映画の数々を掘り返す、「見なければならない百本の映画が在るとするなら、百一本目以降の映画達」を集成した大変な労作(以下コメ欄に余談)。2016/10/09
ジャッカル佐崎
2
「80年代悪趣味ビデオ学入門!」「80年代悪趣味ビデオの逆襲」の再編集版。上記の2冊はわりと最近出たものでもあるし、すでに持っている方も絶対買うべきかというと正直微妙でもありますが、中身は抜群に面白く、書き下ろしレビューも9本、新規コラムも収録してあります。2016/09/10
Takahashi Rikiya
1
紹介されている対象が現実に存在しているか、いないか、という差はあるものの、実際に手にすることはないという点において、本書はスタニスワフ・レムの『完全なる真空』や『虚数』のようなもんである。ってのは言い過ぎか。まあしかし、紹介されているビデオを積極的に観ることはないでしょコレ。記事は楽しいんだけど。2017/01/08