文春文庫<br> 勘三郎伝説

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文春文庫
勘三郎伝説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167904739
  • NDC分類 774.28
  • Cコード C0195

出版社内容情報

芝居の世界に身を捧げ57歳で早世した十八代目中村勘三郎。不世出の歌舞伎役者を幼時から知悉する作者だけが知る素顔の名優の姿。

いまもなお記憶に残る、誰もが魅了されたあの声、あの笑顔――人を愛し、芝居を愛した、十八代目中村勘三郎は、寝る間を惜しんで五十数年間、たくさんの人と出会い、多くのことを吸収し、人の何倍も生きた。幼いころから、その成長ぶりを見守り続けた著者による、人間・勘三郎の魅力をあますことなく綴った一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

qoop

4
十八代目勘三郎の思い出を綴った本書には、悲しみと悼みとが溢れている。著者だけが知り得たエピソードの数々が、熱心なファンですらなかったこちらにとっては遠い存在にすぎない役者の印象に血肉を与える。興味深い挿話の数々に圧倒されながら読み進むうち、終盤の〈盲目物語〉でと胸を突かれた。貴重な話の多い本書の中では何気ない日常の一コマだろうが、著者と勘三郎との距離感がよく表れていて、早世した名優を惜しむ著者の喪失感の大きさを改めて知る思いがした。2017/10/06

セシリア

3
串田和美さんの追悼文が心に残った。「彼は『芝居』というものはもっともっと、人々の心にじかに届くように、目の前の大切な人に話しかけるように、その人々の言葉も聞きながら演じるものなんだということを実践しようとしていた。その日の芝居の本当の姿は、そこに立ち会った観客の心の中にしか残らないことを体中で知っていた。……」と。勘三郎自身は「役者の仕事って、水の上に、指で字を書くようなものなんだよ。書いたそばから空しく消えてしまう」とよく言っていたそうだ。その一瞬一瞬に命を賭けていたんだなあ。2015/11/12

2223

3
思い出話。そして最期にいつもあなたがいないと嘆く。そういうと後ろ向きな気もしてしまうが、筆者の中で息づく勘三郎さんは活き活きといろんな話をしてくれる。私はいまでもちょっと休んでるだけで、私が見てないだけで、勘三郎さんが本当にいないってことがあんまり受け止め切れていないんだけれど、勘九郎さんが似てるなぁって思う時にだけは、あぁお父さんいないんだよなぁって実感する。息子の中に息づく父の姿に、もう同じ舞台で見られないことを実感するのだ。2015/10/31

Ryoko

2
歌舞伎に詳しくないと難しいし、面白くないかも。 私は歌舞伎に詳しくないけど、勘三郎さんに興味があったので読みました。 勘三郎さんと親しい人や著者とのエピソードや舞台での彼の演技について書かれたノンフィクション。 ほぼ100%、歌舞伎に関するエピソード。○○の舞台でこんな演技をした。。この舞台で○○さんとの交流が始まったとか、そんなエピソードが事実として淡々と書かれているだけなので、私が期待した内容ではなかった。太地喜和子さんとの恋愛の話だけは面白かったです。2015/11/04

若黎

1
勘九郎の会で見た玉三郎さんとの鰯売恋曳網、籠釣瓶、盲目物語、コクーン歌舞伎、平成中村座。勘九郎さん舞台を観れた幸せな思いが蘇りました。 楽しい舞台をありがとう、幸せでした、と勘三郎さんにお礼を言いたい。 2019/06/12

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