内容説明
北条氏による権力独占が進んだ鎌倉幕府。後醍醐天皇は、北条氏に不満をもつ武士たちを糾合して幕府を滅ぼす。しかし、新たに発足した「建武政権」は武士を冷遇し、反発した足利尊氏らによって政権は崩壊、朝廷は南北に分裂する。建武政権には多くの旧幕府の官僚が参加し、後醍醐天皇は武士たちに積極的に恩賞を与えた。南朝の政策も時代に即したものだった。では、なぜ後醍醐の「異形」性や建武政権・南朝の非現実性が定説化したのか?その核心に迫る16論考。
目次
第1部 建武政権とは何だったのか(鎌倉時代後期の朝幕関係―朝廷は、後醍醐以前から改革に積極的だった!;建武政権の評価―「建武の新政」は、反動的なのか、進歩的なのか?;建武政権の官僚―建武政権を支えた旧幕府の武家官僚たち;後醍醐と尊氏の関係―足利尊氏は「建武政権」に不満だったのか?)
第2部 南朝に仕えた武将たち(北条氏と南朝―鎌倉幕府滅亡後も、戦いつづけた北条一族;新田氏と南朝―新田義貞は、足利尊氏と並ぶ「源家嫡流」だったのか?;北畠氏と南朝―北畠親房は、保守的な人物だったのか?;楠木氏と南朝―楠木正成は、本当に“異端の武士”だったのか?)
第3部 建武政権・南朝の政策と人材(建武政権・南朝の恩賞政策―建武政権と南朝は、武士に冷淡だったのか?;南朝に仕えた廷臣たち―文書行政からみた“南朝の忠臣”は誰か?;中世の宗教と王権―後醍醐は、本当に“異形”の天皇だったのか?)
第4部 南朝のその後(関東・奥羽情勢と南北朝内乱―鎌倉府と「南朝方」の対立関係は、本当にあったのか?;南朝と九州―「征西将軍府」は、独立王国を目指していたのか?;南北朝合一と、その後―「後南朝」の再興運動を利用した勢力とは?;平泉澄と史学研究―戦前の南北朝時代研究と皇国史観)
著者等紹介
呉座勇一[ゴザユウイチ]
1980年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得修了。博士(文学)。日本中世史専攻。現在、国際日本文化研究センター客員准教授。日本史史料研究会主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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keint
mushoku2006