最新研究で読む 地球環境と人類史

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800310002
  • NDC分類 519.2
  • Cコード C0022

内容説明

中東のテロを生んだエルニーニョ、南極の氷に刻まれた最古の大気汚染、新たな感染症・ジカ熱との戦い―自然の変動にともなう地球環境の変化は、人類の歴史にどのような影響をおよぼしたのか!?最新の研究成果を取り入れた「環境史」の視点から自然と文明の関わりを再考する。

目次

第1章 終わらない人類の環境問題(新興感染症 ウイルスとの果てしなき戦い―ジカウイルスの流行;気候変動 シラミが語る衣服の起源;寒冷化と衣服 ボタンで敗れたナポレオン軍;ゴミ問題 人類を悩ましてきた悪臭とゴミの山;大気汚染 南極の氷に刻まれた大気汚染の歴史;進化と自然淘汰 蛾をめぐる白黒論争;資源の消費 イースター島の新事実)
第2章 自然環境と政治・紛争の歴史(動物保護 テディベアの誕生と大統領の自然保護;大規模開発 マラリアが阻んだパナマ運河;政治と災害 街からスズメが消えた;国家主義と環境 独裁者は自然保護がお好き;乱獲・密猟 ゾウを追いつめたピアノ;人口爆発 人口をめぐる戦争;異常気象 中東のテロを生んだエルニーニョ)
第3章 「緑の逆襲」と自然の復活(砂塵の恩恵 生態系を支える砂嵐;地球冷却化 ペストの流行と「緑の逆襲」;自然の回復力 火山島の自然復活と風が運ぶ生物たち)

著者等紹介

石弘之[イシヒロユキ]
1940年生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、編集委員などを経て退社。国連環境計画(UNEP=本部ナイロビ)上級顧問。96年から東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授、東京農業大学教授を歴任。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事(ブダペスト)などを兼務。英国ロイヤルソサエティ(RSA)会員。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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futabakouji2

10
まったくこの世界に生きているのが嫌になってしまう本。社会ではゾウ、バイソン、先住民を殺しまくって今の社会がある。今でも社会にとって大事なことを優先して環境を改造する。まったくひどいもんだよ。けどこんなひどいシステムの中で私は生きている。夜にお風呂に入って、気分良く寝る。罪深いな。嫌になるよ、本当に。けどなにもできないのよ。2019/04/08

Noboru

3
高校時代に課題図書で読んだ(読まされた?)「地球環境報告」の石弘之さんの著作ということで手にとってみました。特に印象に残ったのは「ゴミ問題」の項で、近代以前のヨーロッパでは、し尿や精肉処理後の内臓などあらゆるゴミを路上や城壁の外に捨てる習慣があり、それがポンペイの火砕流流入を容易にし、疫病の蔓延を増加させたという内容には驚きました。昔の日本の様に下肥取りがいて、作物の肥料として循環させるのが世界共通の在り方と思っていたので。悪臭の都市と記載されていましたが、いったいどれ程の悪臭が立ち込めていたのか…。2017/01/17

さたん・さたーん・さーたん

3
地球上の様々な地域における様々な時代の事件や問題を、環境という切り口で新たに読み解く。ナポレオンや毛沢東から直近の「アラブの春」といった歴史的な人類の歩みが、異常気象や感染症、ごみ問題等々と次々リンクしていくのが新鮮だった。2017/01/04

Yoshiro Sakamoto

2
歴史を作っていたのは人間だけでなかった!環境次第では歴史が変わっていた事例や、環境を上手く生かして勝利者となった事例が面白い。2017/08/02

小木ハム

2
環境問題を知る事は人間社会の未来を占う事と同義。しかし何と言うか、この本を読む限りお先真っ暗な気が。救いがない。動植物は死にまくってる(或いは殺しまくってる)のにヒトだけは絶賛増量中。山から降りてくる熊や猪からすると、人間こそが『侵略的外来種』に相違ない。ゾウの密猟の話なんか人間嫌いになりそう。手前の事態に『人類愛』では狭すぎる、しかし代案は研究者まかせ。こんなこと考えてたって、結局明日もサラダチキンを食べるだろうし、排気ガスを撒き散らすバスに乗って会社へ向かうのだ。自分には何が出来るだろう。2017/05/28

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