世界ダークツーリズム―人類の悲劇の歴史をたどる旅

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  • サイズ B5判/ページ数 126p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784800308634
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0076

内容説明

戦跡、被災地、ゴーストタウン…“負の遺産”に残る悲劇の記憶。

目次

1 大虐殺の地(初夏の青空の下で見た史上最悪の惨劇の地 アウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)
ホロコーストの実情を伝えるユダヤ人の祈りの丘 ヤド・ヴァシェム(イスラエル) ほか)
2 戦争とテロの傷痕(生々しい市街戦の傷痕に見る静かな悲しみとユーモア サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
基地と戦跡と墓標しかない太平洋戦争の激戦地 硫黄島(日本) ほか)
3 被災地の光と影(原発事故から5年帰還困難区域を国道6号で縦断 福島(日本)
史上最悪の原発事故で放射能に汚染された死の街 チェルノブイリ(ウクライナ) ほか)
4 人種差別と貧困の記憶(アパルトヘイトの象徴となった監獄島 ロベン島刑務所跡(南アフリカ共和国)
フセインの毒ガス攻撃を受けたクルドの“ヒロシマ” ハラブジャ(イラク) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かりさ

92
とてつもなく深い歴史の闇。人間の悲劇が生んだ負の遺産に今なお色濃く刻まれる記憶。著名人各々が悲劇の地を訪れ、歴史を辿る旅の書。大虐殺、戦争とテロ、被災地、人種差別と貧困…想像を絶する写真の数々に言葉を失います。中でも角田光代さんが訪れたサラエボの薔薇は衝撃的。その残酷な証が脳裏から離れません。他にルワンダ虐殺の犠牲になった、苦悶に曲がり捻れた無数のミイラたち、カンボジアのキリング・フィールド慰霊塔に並ぶ虚空を見つめる数々の頭蓋骨。残酷な歴史は今なお繰り返されている。私達はこの悲劇に目を背けてはならない。2016/10/10

鷺@みんさー

32
「知られざる」場所もあり、何より書き手が豊富で、これまで読んだダークツーリズム本の中で一番、読み応えがあった。よく知られた場所であっても、改めてその背後にあるものや、歴史的政治的な意味で定義付けが難しいもの、視点を変えて「いま」の市民の生きる姿の逞しさなど、どれも興味深かった。2016年の初版で、ウクライナのホロドモール博物館など、今だからこそより考えさせられる場所もあり、ダークツーリズムに興味のある方には一読をお勧めする。2022/09/07

fu

30
世界遺産は後世に残したいと皆が称賛するような素晴らしいものばかりとは限らない。時に人間は過ちを犯す。悲劇を繰り返さないために目を背けてはいけない。ひとりひとりの人間は弱いのに、敵を想定することで集団として纏まろうとする。人間のサガとは何なのだろうと、人間のひとりとして嫌悪感が湧くけれど、しっかり向き合って考えていかなければいけないのだと思う。2016/07/03

宇宙猫

28
★★★ 虐殺の章は特に心が重くなる。日本人が書いてるせいかアジアのことが多いけど、インドネシアで大規模な虐殺があったなんて知らなかった。2017/09/14

たまきら

23
正義なんてどの国でも建前で、路地を入ったその裏にいくらでもほの暗い罪が臭気と共にぼんやりたたずんでいるものだ。だから、圧倒される。良く知られているもの、知られていないもの。写真にギョッとしたり、文章の方に夢中になったり。サラエボの薔薇には泣けてきた。文章巧いな、と思ったら角田光代さんだった。西牟田靖さんはダイレクトな文章でこれまたガツンと来た。福島が入っているのは英断、そして感情に刺さる。日本人としての愛国の気持ちと罪悪感に。一読の価値あり。5歳の娘にも説明した。2016/07/01

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