内容説明
米軍は東京の何を見ていたのか?偵察、上陸、進駐―そのとき米軍はどこに視線を向けていたのか?激動の、そして都市としての記憶が抜け落ちた1945年の東京の姿を、米軍が記録・保存していた170点超の秘蔵写真とともに振り返る!
目次
第1部 東京1945クロニクル(1/27 京橋区銀座;2/27 東京東部 ほか)
第2部 視線を追跡する―皇居、山手線、隅田川・荒川(皇居をめぐる;山手線をめぐる ほか)
第3部 終わりの風景、はじまりの兆し―10のエリア(浅草;日本橋・京橋 ほか)
第4部 消えた風景、消えた場所(なくなったもの;偽装建築 ほか)
著者等紹介
佐藤洋一[サトウヨウイチ]
1966年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院博士課程修了。早稲田大学芸術学校空間映像科教員を経て、2010年から同大学社会科学部教授。博士(工学)。専攻は都市形成史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hiroizm
12
隣町の片隅で見つけた昭和にタイムスリップした感の品揃えの古本屋で購入した本。米国軍資料として長年埋もれてた写真を公開したものらしい。長年の内戦で荒廃したシリアの街並みの映像をニュースで見る機会があるけど、75年前の東京の崩壊度も負けてないとため息、青森から「勤労奉仕」として徴用され否応なく東京に連れてこられた17歳の親父もこの風景を歩いたのかと思うと感慨深いものがあった。映画と本の「日本のいちばん長い日」にあるように、この惨状でも戦争を継続しようした人たちがいたことにもあらためて震撼する。2020/08/09
かりんとー
6
ほんとに焼け野原になったんだなあと。空襲がなければ東京の風景も今とは違うものになっていただろう。2024/07/27
Sherlock Holmis
5
まだ闇市さえ形成されていない1945年秋の東京。徹底的に破壊され、復興への息吹もこの時点では感じられず、都心のど真ん中にバラックが寂しく建っている、空虚なる帝都の写真集だ。だが線路や街路などの根本的な都市構造は今と大きく変わっていないし、外壁を残した「焼けビル」にも立派なものが多く、現代との連続性を感じる(有楽町駅日比谷口などはかなり雰囲気が残っているなと思った)。焼け跡を人々が歩いている。皆どこから来てどこへ行こうとしているのだろう。2023/12/15
epitaph3
4
当たり前のことだけど、戦前にも高架線やビルを作る技術はあった。高度経済成長のときに大きく変わったようにみえるが、技術は戦前からあった。米兵と子どもが笑顔でいる写真がいい。2017/01/15
たくさん
0
土門拳や木村伊兵衛のようなドラマチックな写真ではないが貴重な昔がうかがいしれる。土地勘がないのが悔やまれる。2016/06/26