内容説明
知られざる娯楽産業としての映画史。
目次
第1章 映画産業の基本(映画はいかにして生産されるか;「製作」と「制作」の違いについて)
第2章 流通~配給と興行の歴史 日本の映画会社、その成り立ち(配給と興行、その俯瞰図;日本の映画産業、その黎明期;戦後の洋画配給の実態)
第3章 斜陽化の始まり―1960年代の映画業界(かくして成長は終わった;洋画の躍進)
第4章 洋高邦低と拡大興行 一大娯楽産業の終焉~1970年代の映画業界(崩れゆく日本映画;洋画の黄金時代へ;日本映画に起こる新しい波)
著者等紹介
斉藤守彦[サイトウモリヒコ]
静岡県浜松市出身。映画業界紙記者を経て、1996年からフリーの映画ジャーナリストに。以後多数の劇場用パンフレット、雑誌・ウェブに寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
numainu
2
評価D2016/04/13
nizimasu
1
最近の映画の本の主流は町山さんの登場もあってカルチュラルスタディのような映画を通じて世界の文化やニュースの背景を知るような本が増えている気がしますが、しかも監督や役者などの制作サイドに重きを置いていない。興行と配給という部分に特化していてつまりいかにできた映画を盛り上げるか。あるいは映画産業の衰退にどう抗していったかなどの分析を歴史的な数値を交えて丹念に取材している。ある種の裏面史だけど読み進めていくうちにこれこそが映画作りの根幹ではないかと思う。昨今の海外ドラマの視聴者数ありきの趨勢を先どっている内容だ2016/05/27
Kazuhiro Sorimachi
0
出来上がった作品ではなく、映画会社の成り立ちから始まり、どういったもくろみで映画が作られ、日本の各地に映画が届けられ、観客にどのように見られたのかという映画全体を俯瞰する本。タイトルから想像していた内容とはちょっと違っていたが日本映画史をこういう切り口(商業的観点)で見返すことができたのは収穫。たとえば70年代に映画を見始めたので邦画より洋画のほうが人気だと思っていたけどそれはそのとき初めて起こった現象でそれまではずっと邦画のほうが興業成績は多かったことなどがよくわかった。2016/10/13
Yusuke Nakamura
0
仕事のために薦められて読みました。映画の本は筆者の「思い入れ」で書かれているものが多い中、こちらの本は「売上」を切り口にした珍しい本でした。 映画業界大手各社の成り立ちから1970年代までの歴史が学べます。私もほぼ初心者でそれでも分かりやすく、映画に興味がある方ならどなたでも読めると思います。業界を学びたい方には絶対オススメの1冊です!2016/04/06