内容説明
映画!この忌まわしく、楽しいもの!切り裂きジャックに始まる残酷映画の歴史から『死霊のはらわた』&『悪魔のしたたり ブラッドサッキング・フリークス』詳細メイキング、狂ったキリスト教映画追跡まで、鮮血と狂気と理性が激突する!高橋ヨシキ、待望の映画評論集第二弾!エレファント・マンの人生にヴァーホーヴェン映画解読…渾身の長編書き下ろし6本収録!!
目次
第1章 恐怖の研究(『マーダー・ライド・ショー』;70年代は最高だ;殺人悪魔一家降臨 ほか)
第2章 けだものと人間のあいだ(私はなぜにバカなガキどもを殺してしまうのか?;イーライ・ロスの軌跡;イーライ・ロスへのインタビュー ほか)
第3章 凄まじき世界の歴史(『アクト・オブ・キリング』;『セデック・バレ』と聖なる血;ナチス、このビザールなもの ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
貴人
16
知的で、紳士で、モラリストな悪魔主義者なヨシキさんの映画エッセイ集第二弾。本書において序文から通底するヨシキさんの倫理観というか、世界観に非常に共感できる。この不確かで、明確な正しさなど無い社会において、自分が疑うこともなく正しい側にいると思っている人々はクソくらえである。ナチスや、映画「アクト・オブ・キリング」で描かれた虐殺者を自分とは違う獣と思い込んでいるような人こそ、正に状況によっては虐殺者になりえる人々だ。人間は等しく邪悪性を秘めている。世界も人も光と闇があるからこそ真なる物となる。2015/02/19
vaudou
7
暗黒映画評論第2弾。書き下ろし収録の「真説エレファント・マン」「さらば未来世紀ブラジル」これらの長文評論は、一般的な二作への見方を根底から覆す素晴らしさ。安易な感動譚や、教訓としての言及もされる作品なだけに尚更意義深い。カニンガム→「死霊のはらわた一代記」→イーライ・ロスへのインタビューとホラー史の系譜を辿れるのも嬉しい。あと「リジェクト」の洋盤DVDにのみ収められている、ドクター・サタンが看護師を殺すシーン。これカットして正解ですわ・・・2015/04/24
みき
5
「マーダーライドショー」「デビルズリジェクト」は怖くて、ずっと手が出せなかったけど、人生なかばをすぎてホラーの楽しさに目覚め、きわどく・どぎつく・美しく、そんな映画を見まくっています。毎日が映画鑑賞に追われ、図書館通いを中断してます。読書メモが更新出来ないのは、四分の一は高橋ヨシキさんのせいです。2015/04/22
ケレット
4
今回も傑作。なんだか息苦しいそんな時にホラー映画やバイオレンス映画を見て救われることがある。そこには自由があるから。明るく正しいもののための場所しか世の中にないとしたらとても苦しいだろうな。2016/11/03
冬憑……(ふゆつき)
4
え?好きな映画?いやまぁ色々あるけど、なんだろうなぁ。え?ホラー好きなの?僕もホラーは好きだけどね。あーこらこら、こんな人がいっぱい居る所で人殺しの話をするもんじゃないよ。ホラーというのはこっそりじっくり愉しむ物だと僕は思うんだよ。さ、この本を読んで、もっと深みにハマってしまえばいい。でもね、あまり人には大手を振って言わない方がいいよ。それが世の中を楽しく生きるコツだよ。こらこら、こんな所で「ホステル」の話をするんじゃないよ全く。。。ホラーに軽く足を踏み込んだ人にこそオススメの本ですよ。啓蒙啓蒙。2015/11/15