内容説明
子規の結核、漱石の胃潰瘍と神経衰弱、芥川の神経症と自殺、北條民雄のハンセン氏病、川端の創作した架空の病、武田泰淳の描いた精神病院、柄谷の論じた近代という病―。身体に、そして精神に密接に結びついた様々な「病」。斬新な切り口から、文学史、近現代史、そして文学と批評の本質が鮮やかに浮かび上がる。著者の慶應義塾大学での迫真の講義を再構成して収録。
目次
第1講 近代日本文学の源流―正岡子規『仰臥漫録』
第2講 近代小説の宿命―夏目漱石『明暗』
第3講 私小説のリアリティ―宇野浩二『思い川・枯木のある風景・蔵の中』
第4講 作家のキャリアとしての自殺―芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』
第5講 実名不明の作家―北條民雄『いのちの初夜』
第6講 戦後文学における「身体」と「死体」―椎名麟三『自由の彼方で』
第7講 社会派ミステリーにおける「病気」―松本清張『砂の器』
第8講 正気と狂気の狭間の架空の病―川端康成『たんぽぽ』
第9講 近代社会における神―武田泰淳『富士』
第10講 近代という病―柄谷行人『意味という病』
特別講義 女性の身体と文学―円地文子『朱を奪うもの』三部作
著者等紹介
福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学文学部仏文科卒業、同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。93年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、96年『甘美な人生』で平林たい子文学賞、2002年『地ひらく』で山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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