宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ
狂花一輪―京に消えた絵師

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800299208
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞&20万部突破『縁見屋の娘』の著者による最新作です! 福知山藩に仕える武士・木島龍吾の目は色の認識ができない。先代藩主の命により、龍吾は失踪した父・兵庫を捜すことになる。兵庫は人気の絵師で、藩主に極楽浄土の絵を描くことを約束していた。ただし龍吾は兵庫と生まれてすぐ生き別れたため面識がなかった。戸惑う龍吾だったが、兵庫が自分と同じく色が認識できないことを知り、興味を持ち始める。兵庫を追って京へ向かうが、彼は贋作事件の犯人として京を追われ、行方不明になっていた。龍吾は父の弟子を訪ねて行方を調べるなかで、兵庫が弟子のために描いた軸「狂花一輪」を見せてもらうと、あるものが見え――。贋作事件の悲しい真相と、軸に隠された父の思いが胸を打つ。

内容説明

叔父のもとで成長した若き藩士、木島龍吾の目は、生まれながらに色を見る力を持っていなかった。その龍吾に、先代藩主は、実の父、兵庫の捜索を命じる。兵庫は出奔後、京で水墨画の絵師浮島狂花として生きていたが、贋作事件を起こして、行方知れずになっていた。狂花の弟子たちを訪ね歩くうちに、龍吾は事件に隠された真相と、狂花の絵の中にある真実を見抜く。それは、兵庫が龍吾と同じ目を持つ証でもあった。

著者等紹介

三好昌子[ミヨシアキコ]
1958年、岡山県生まれ。嵯峨美術短期大学洋画専攻科卒。第15回『このミステリーがすごい!』大賞にて『京の縁結び 縁見屋の娘』で優秀賞を受賞し、2017年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

47
(生意気なことに)三好先生腕上げはりましたねえ、と思ってしまった。父を探す旅は自分を探す旅でもあり、愛する妻を取り戻す旅でもある。蛍のような星のような光がやや幻想的な要素になっているが、木島龍吾の心理に寄り添った丁寧な語り口に引き込まれる。父浮島狂花も同じ目を持っていることが救いになってこれからの龍吾は強く生きていけるだろう。物語の中での長沢芦雪の扱い方がうまい。2019/10/10

はつばあば

42
今回も読ませていただきました。やっぱり歳を経るっていい事ですね。最初・・何年か前に読ませてもらった縁結びの本より、ここしばらく続けて読んでピークに達する内容に惚れ惚れしています。色盲・・今では聞きなれない言葉なのかあまり耳にすることが無くなりました。絵師が色を無くして絵を描けば・・そうか水墨画になるんですねぇ。愛する妻が出産と同時に亡くなる。ショックも大きく高熱の続く病に倒れ・・気がついたら色が消えていた。家長でいることも出来ず弟に家督を譲り息子をも養子にと。ここから始まる息子の話・・良かったです2022/09/09

一五

15
久々の出色。読メに書きこむのに山場を読み返してしまった。自分の体の特異点を恥とし、傷心の龍吾は、出奔した父探しを先代藩主に命ぜられる。京での探索で明らかになるあれこれ。 なんかいじけた奴だなと読んでたが、心の動きが、いっそ哀れで… 最後 ……ホッ、よかった 2020/08/21

onasu

15
福知山藩の右筆方、木島龍吾は生まれつきの視覚障害を秘するが故に人付き合いを避け、その心の壁は妻の心労ともなり里に戻らせていたが、ある日、先の藩主より25年前に旅に出た実父を探すよう命じられた。  京で水墨画の絵師として活躍していたという消息を元に、交誼のあった商家を訪ねるが、関係者の口は重く、月日だけが過ぎていく。ただ、その水墨画を眺めていくうち、ある気づきが生まれ、自らの意志で実父と見えたくなるが…。  初手から核心の商家を訪れたのには、いきなりか!、と危惧もしたが、あっさりした締めも心憎い好著でした。2019/12/16

みいやん

13
うるうるしながら良い話を読んだ。おそらくは白黒テレビのような世界は味気ないだろうし、まして絵師なら…2020/03/20

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