出版社内容情報
「月給20万円。販売、修理、その他なんでも対応します」。美優は地元で、ミヤタ電器店に貼ってある求人広告を見ていた。すると店内から社長の宮田が出てきて、急に顔を近づけてきたかと思うと、ドライヤーの買い替えを考えていることを言い当てた。美優は驚きとともに好感を持ち“なんでも対応”について質問すると、ちょうど美優の近所に住んでいる少年が来店してきて、美優もその“なんでも対応”についていくことに――。変わり者の店主・宮田とともに町の困り事を次々と解決していく「家電探偵」誕生!
内容説明
「うちの社長は笑いません。ですが、お客さまの笑顔のために努力しています」という求人広告に惹かれ、「ミヤタ電器店」に転職した森野美優。人の気持ちは読めないが、家電に詳しい店長の宮田とともに「なんでも対応」をポリシーに、家電トラブルに隠された人々の想いや悩みを次々と解き明かしていく。一風変わった仕事にやりがいを感じる美優だったが、彼女の周辺で奇妙な事が起き始め…。
著者等紹介
田中静人[タナカシズト]
1986年、新潟県生まれ。東京工科大学卒業。2017年に『このミステリーがすごい!』大賞・超隠し玉として、『陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
65
たまたま見かけて。表紙のわんこに惹かれて。笑わない家電店の社長が人の笑顔のため「なんでも対応』をする。そこで謎解きをしてといういわゆる日常のかしら謎系なんだけど、なんかすっきりしない。伏線設定詰め込んであるのに、回収されなかったり、やけに重いし。面白くないわけではないし、サクサク読めたけど、あんまり楽しくはなかった。続きを想定して放置なのかしら。ま、こんなものか。2020/10/01
よっち
45
前職を辞めて求職中の美優が、「なんでも対応」ありのミヤタ電器店の求人を知って、変わり者の宮田社長と一緒に家電を巡る謎を解き明かすミステリ。新品のルータを欲しがる理由、空気清浄機についたカビの謎、同じような使い方なのにスマホの充電の減りが早い理由、異音を発する食器洗い機、そして美優をストーカーする人物の正体。無表情な宮田の過去に、美優のトラウマやストーカー騒ぎもあって若干詰め込みすぎだった感もありますが、家電知識の宮田と推理力の美優のコンビで家電と人間関係を絡めた謎を解き明かしてゆく展開は興味深かったです。2019/09/04
ゆー。
35
「このミス大賞『美優を付け狙うストーカーは誰だ!?』電子レンジでチンするくらいお手軽に読めた。 『家電』 どこか懐かしさを感じさせる曲が流れる♪その曲を家電に結び付ける。【急に冷たくなって、そっぽ向かれたり、なんでなんでなんで?】そりゃ冷蔵庫やから調子良い時は順調やし機嫌悪かったら故障しますよ。【へんにね合わせ過ぎても多分辛いだけさ】見たいチャンネルをね…テレビかよ!!。いや、そもそも何の曲と家電を結び付けてるの?と、家電の買い替えは、故障した時など『タイミング』による。」2021/05/12
まるぼろ
30
ある事で転職を考え地元に帰省した森野美優は、駅近の商店街にある「ミヤタ電気店」の風変わりなポスターに目を引かれ、同店の求人広告も目にするが…と言う所から始まるお話です。思ったより其々が抱えた過去が重たく、ともすれば心が病んでると言った印象も持ちましたが、機械的な謎を宮田さんが、心理的な問題を美優が解決すると言う内容は面白いと思いました。美優のストーカー問題についても何となく予想できた結果でしたが、その後の宮田さんの対応も含めてベターな解決だったのでは、と思いました。続刊するようならばまた読んでみたいです。2020/01/18
あやっぴ
30
家電店の笑わない店長と、笑うことができなくなった美優。2人がいてこそ、その謎が解き明かされていく。日常のものもだが、家電にまつわるもののミステリーってなかなか奇抜!ためにもなり、楽しめました。2019/12/15