宝島社文庫
菜の花工房の書籍修復家―大切な本と想い出、修復します

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800293473
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

第6回ネット小説大賞受賞作品。進路に悩む高校3年生・三峰菜月は、子供の頃に自分の大切な絵本を直してくれたおじいさんのことを思い出す。そのおじいさん・豊崎俊彦は書籍修復家で、破れたり汚れたりした本を直す仕事をしている職人だった。そんな職業に憧れを持った菜月は、俊彦と再会したことで弟子入りを懇願するのだが、彼は頑なに菜月を弟子にはしてくれなかった……。「書籍修復家」という稀有な職業について描きながら、図書館の在り方や、本を大切にする気持ちを湧き出させてくれる、お仕事青春ストーリー。

内容説明

高校三年生の三峰菜月は、子供の頃に宝物の絵本を直してくれた書籍修復家・豊崎俊彦の工房の門を叩く。弟子入りを拒む俊彦のもとで、菜月は期限付きを条件に書籍修復の基礎を学びはじめる。図書館の本や和装本を扱った初めての書籍修復、子供たちに向けた和装本作りの体験会などを通して、菜月は大切な本に託された想いに気づいていく。本に寄り添う人々と、書籍修復家を目指す見習い・菜月のお仕事青春ストーリー。第6回ネット小説大賞受賞作。

著者等紹介

日野祐希[ヒノユウキ]
1988年生まれ。静岡県浜松市出身。現在は愛知県で大学図書館職員をしている。『菜の花工房の書籍修復家―大切な本と想い出、修復します』で第6回ネット小説大賞を受賞。本にまつわる物語を中心に書いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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佐島楓

64
司書として書籍の修復の技術を身につけるケースは知っていたが、専門としているかたがたがいらっしゃることは知らず、自分の不勉強を恥じた。実際に、修復士一本で食べていくことは相当難しいのではないかと想像する。それゆえに、俊彦の逡巡も理解できる気がするのである。好きなことのみで食べていくのがどれだけ困難なことか、という現実。2019/03/22

ami*15

52
書籍修復というテーマに惹かれ手にしてみました。過去から現在、そして未来へ繊細な本たちと人々をつなげる書籍修復家の仕事。様々な本と向き合いながら直していく書籍修復家が本に込めている思いを存分に感じられた。豊崎先生に大切な本を直してもらった幼い頃の経験をきっかけに書籍修復家に憧れるようになった菜月。理想と現実は違っても「先生の弟子になりたい」という目標に向けて先生のもとで書籍修復について学んでいく彼女の姿勢が立派でした。書籍修復の知識や図書館の仕事に関する話題が充実していてとても勉強になった1冊でした!2019/03/15

ユメ

43
主人公の菜月は、幼い頃に宝物の絵本を直してくれた「優しい魔法使い」俊彦の教えを受けて書籍修復家になることを目指す。書籍修復の過程をつぶさに見られるのがとても興味深かった。菜月が主に学ぶことになる和綴じ本の修復は繊細な作業の連続で、こんな高度な技術が現在まで受け継がれていることの重みを感じる。中盤、菜月の「書籍修復家になる」という夢が「俊彦の弟子になる」にすり替わってしまうくだりにはひやひや。長い目で見守りながら誤ちを正してくれる大人たちが周囲にいてよかった。図書部の先輩である葵との関係性は羨ましいほどだ。2019/04/20

よっち

40
進路に悩む高校3年生・三峰菜月は、子供の頃に自分の大切な絵本を直してくれた書籍修復家・豊崎俊彦と再会。一念発起弟子入りを目指し奮闘するお仕事小説。親に言われるままに大学進学でいいのか疑問に思っていた菜月の運命の出会い。彼女の修行を通じて描かれる和書の修復がどのように行われるのか、その描写や解説はなかなか興味深かったですが、食べていくのが難しい仕事だからこそ、書籍修復の仕事にどう真摯に向き合うのかをしっかり考えるのは大切なことですよね。周囲の人に支えられながら成長してゆく菜月の今後を応援したくなりました。 2019/04/07

はな

32
装丁が可愛いなと思って購入した一冊。書籍修復家という馴染みのない仕事ですが、本好きにとっては興味のある仕事です。幼い時の思い出の人との出会いで、夢を叶えたいと奮闘する10代後半の主人公。幼い感じだったりはある程度仕方がないのかなと思いつつ、 技術を会得するのがこんなに早いのは好きな仕事だからなのか?どうなのかな? じっくりストーリーが進んでもよかったのかな?と思います。2019/06/16

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