すみれ屋敷の罪人

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800290793
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。白骨死体は、いったい誰の死体なのか? その身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞しデビュー、いまもっとも注目される女性コンビ作家、渾身のゴシック・ミステリー。

内容説明

戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。かつての女中や使用人たちが語る、屋敷の主人と三姉妹たちの華やかな生活と、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言と嘘、やがて戦時下に埋もれた真実が明らかになっていく―。注目の女性コンビ作家が「回想の殺人」を描く、傑作ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

435
『女王はかえらない』に続いて降田 天、2作目です。伯爵家歴史ミステリ、ミステリ度は低いですが、昭和初期戦時中の社会状況、伯爵家の特異な家族模様、全体的な雰囲気は、楽しめました。次作も期待したいと思います。2019/01/18

しんたろー

269
降田さん初読み。昭和初期の名家の庭から発見された数体の白骨を巡ってのミステリ・・・いかにもな舞台設定で当時の関係者から聞き取り調査をする前半は単調に感じたが、各人の証言に食い違いが出始める中盤から面白さがアップし、終盤は哀しさと切なさが加わって一気に読み終わった。犯人当てやトリックを期待すると肩透かしだろうが、補って余りある「健気な想い&狂おしい程の愛」に圧倒された。当時の世相が判り易く書かれているし、ノスタルジックな雰囲気や幻想的な描写も効果的で「美しい騙し絵」を鑑賞した気分になった。他作も読みたい♬ 2019/03/05

nobby

223
冒頭から美しく彩る“すみれ”が、物語全般を実に引き立てるのが素晴らしい。名族の敷地内で発見された二つの白骨体をめぐり、半世紀以上を経て行われている調査。残り少ない生存者の証言が順に並ぶ章構成にニヤリ♪各々噛み合わない真相が導くのは!?そもそも探索する人物の目的や正体は!?すっかり繋がったと思わせてからの仮説論破があるだけに、第二部で全く印象ひっくり返る事実が次々と明らかになるのが衝撃的!細かい事柄をしっかり拾っていくのにも感銘するばかり。戦争をまたいで描く時代背景だからこそ、哀しくも優しい嘘が心に染みる…2019/08/25

ごみごみ

222
昭和初期。すみれに彩られた紫峰邸。壮麗な洋館に暮らす優しい父親と美しい三姉妹…そんな「すみれ屋敷」で何があったのか。当時の使用人たちの証言には、秘密と嘘が入り雑じる。騙されているふりをしながら娘の嘘を守り続けた父の愛情、嘘を演じ続けた娘の強さ、そして戦争がもたらした悲劇。哀しくて美しい真実。誰もが罪人であり善人でもあった。2019/02/16

🐾Yoko Omoto🐾

169
戦前、X県譲町の名家であった紫峰家。60年以上の時を経て、その敷地から発見された二体の白骨死体は一体誰のものなのか。当時を知る者の証言と回想によってその真相が徐々に明らかにされていく。庭に咲き誇る菫にちなみ名付けられた美しき三姉妹、娘をただただ大切に思う当主、一家にひとかたならぬ恩義を感じる使用人や書生たち。ゴシック的なモチーフで表現された栄華、戦争という非道に翻弄され衰退するしかなかった無常、それは余りにも切なく悲劇的だ。時代の中でそれぞれに苦悩を抱える者たちの慟哭が、ミステリとベストマッチした秀作。2019/02/09

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