出版社内容情報
第17回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作は、サイコパス弁護士 vs. 頭を割って脳を盗む「脳泥棒」、最凶の殺し合い! すべては26年前、15人以上もの被害者を出した、児童連続誘拐殺人事件に端を発していた……。選考委員各氏も絶賛した、サイコ・スリラーです。「手に汗握る展開、衝撃的な要素、次々に起きる新たな事件と、読み始めたら止まらない」北原尚彦氏(作家)、「ぶっ飛んだ設定のおもしろさに加えて、テンポのよさと意外性のあるプロットが光る」大森望氏(評論家・翻訳家)、「サイコパスの弁護士が謎の覆面男に襲われるという意表をつく出だしからはまった。謎を追い始める展開もスリリング」香山二三郎氏(コラムニスト)、「飽きさせない話運び、毒の強いキャラクターの描き方などにおいて、他より抜きん出ていた。勢いがあり強い個性が感じられた」吉野仁氏(書評家)
内容説明
強烈な個性を放つ最悪の追走劇。感情のないサイコパス弁護士vs斧で襲い、脳を奪うシリアルキラー。2019年 第17回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
534
「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作ということで、読みました。文章は荒削りですが、設定が面白く、一気読みしました。最後は失速しましたが、処女作としては上々です。次回作も期待しています。2019/02/14
bunmei
419
『このミス大賞』を受賞し、絵本『怪物の木こり』に擬えたサイコパス・ミステリー。弁護士・二宮と女刑事・嵐子の両者の目線により、物語は進行。初読みの作家さんでしたが、斬新な設定で、何より冷酷で無慈悲なサイコパスの怖さの描写にストーリー展開の面白さが加わり、一気読みでした。但し、精神医療的な分野での描写の詰めの甘さは少し感じました。良心の呵責を感じ得ないサイコパス殺人鬼と、脳を持ち帰るという猟奇的な殺人鬼との共通点が浮かび上がった時、殺人鬼達が背負わされた過去の悲しい事件との関わりが、明らかになります。 2019/03/11
うっちー
408
粗削りながらエンタメとしてはまずまず2019/02/26
ごみごみ
208
快楽と怒りだけが人生のすべて。自分にとって邪魔な人間は迷わず殺す弁護士。その友人は意識を残したまま脳をいじくり解体する医者。さらに怪物の面を被り斧で頭を割って脳を持ち出す殺人鬼まで。サイコパスvs脳泥棒!設定がスゴすぎて覚悟を決めて読み進めたものの・・殺害シーンとかグロい描写はほとんどなかった。捜査の過程とか説明が少しくどかった印象。もっと衝撃的で驚愕の内容になってたほうが好みだったかな。近未来を描いたSFっぽい要素もあり。グロさが苦手な人でも一気読みできると思う。2019/06/29
nobby
208
そもそも“木こり”という非日常的な存在を怪物に仕立てあげたのがスゴい!子供達の死体で溢れる妖しき魔女の館から始まり、続いて描かれる26年後は残酷さ極まるサイコパスと怪物マスクを被り手斧を振り下ろす“脳泥棒”との対決、さらに幕間として挟まれる「むかしむかし、あるところにー」で始まる絵本『怪物の木こり』…もうワクワク止まらぬまま一気に読んだのは間違いない!2人の視点で交互に描く構成が中盤でうまく重なるのも好印象♪ロボトミーとか脳チップなど少し古めのワードは気になりながらも、人の心に結びつけるラストも悪くない。2019/03/23