出版社内容情報
京で暮らす五歳の貴和は黒笠の法師に追いかけられ、神社で遭遇した少年に助けられる。しかしその翌日、母は姿を消してしまった。それから数年後、十二歳になった貴和は町の薬種問屋「白香堂」に奉公することになり、かつて助けてくれた少年・燕児と邂逅する。燕児は縁見屋という口入屋の息子で、医者を目指して白香堂に勉強にきていたのだ。しかし燕児は言葉をいっさい発さず、それは母・お輪の命を守るためにした、ある法師とした約束によるものだと聞く。いっぽう、町では疫病が流行り、貴和の友人も患っていた。ある祈祷師による祈祷が効くと評判になり、貴和が会いに行くと、そこには黒笠の法師がいて――。縁を背負った数奇な者たちの運命が、動き出す。
内容説明
天明八年の大火から五年。貴和と母は、謎の法師に襲われた。通りかかった不思議な少年に助けられるが、翌日貴和の母は失踪する。「必ずお母はんに会える」と少年は告げるが、十一年後に会った彼は、なぜか言葉を話さなくなっていた。そしてある日、貴和の父が描いた辻斬りの芝居絵に酷似した殺人現場が発見され…。すべての事件を結ぶ、貴和と少年の数奇な縁とは?人気シリーズ第二弾!
著者等紹介
三好昌子[ミヨシアキコ]
1958年、岡山県生まれ。嵯峨美術短期大学洋画専攻科卒。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、『京の縁結び 縁見屋の娘』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
79
謎の法師に襲われた貴和を救ってくれた不思議な少年・燕児。貴和を守るため姿を消した母。窮地に陥ると現れ命を救ってくれる大きな鷹。無実の罪を着せられた父。貴和と燕児の数奇な縁、一気に読了。また戻って来るのでしょうか?2021/05/13
タイ子
62
縁見屋シリーズ第2弾。途中まで前作の感じがしなくて記憶薄れてるし丁度良かったとか思ってたらやはりシリーズになってました。変わらずのファンタジー要素の強い物語です。今回は縁見屋のお輪の息子と数奇な運命をたどってきた娘貴和が軸となり謎めいた秘杖をめぐる話。鞍馬法師なる謎の人物や祈祷師の浄雲が登場したりでコミック本を読んでるような面白さでした(と、思ったら1作目はコミック本出てるんですね)。次巻があるなら何が出てくるのでしょう。2018/10/28
真理そら
51
早い段階で「燕児」が登場するので(あゝ、こうつながってきたのか)と思いながら読み進んだ。お輪の「貴和さんの気持ちは、よう分かります」という言葉に思わず頷く読者なのである。雰囲気としては1作目の方が好きかも。2018/10/29
ichi-papa
37
う~~ん、前作「縁見屋の娘」が面白かったので、本作も読んでみたのですが、正直私には合いませんでした。つまらないというわけではありませんが、「ふ~~ん、それで?」といった感じで最後まで読んでもそれほど琴線に響きませんでした。京都を舞台にしたこういうお話は好きなのですけどねえ。2019/06/08
yumiha
30
『縁見屋の娘』の続編。主人公の貴和に読み始めてすぐ危険が、そして次々と不幸が襲いかかるので、どうなるの?どうなるの?と読み進めてしまった。ただ燕児という名前は、前作の帰燕を連想させるので、きっと、たぶん、おそらくと予想できた。2019/09/16