出版社内容情報
伝説の女署長と呼ばれた元監督官が、労基署のウラのウラまで語りつくします。全国で初めて労働基準法違反の疑いによる逮捕を行うなど、数多くの現場を渡り歩いてきた著者が、労基署の最前線を明かします。働き方改革により労基署の動きが加速し、職場の常識も変わりつつあります。「皆さんの想像以上に、労基署は企業の情報を握っている」とは森井氏の言葉。正しい知識を得て、労基署との付き合い方が学べる一冊です。
内容説明
その残業、見られています。「伝説の女性署長」と呼ばれた元労働基準監督官が明かす、企業調査、捜査、送検の舞台裏。
目次
第1章 労基署とは?監督官とは?
第2章 サービス残業での逮捕・送検
第3章 過労死・過労自殺の労災認定
第4章 監督官は労災かくしを見破る
第5章 電通事件と過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」
第6章 是正勧告・強制捜査を受けた企業がすべきこと
第7章 「働き方改革」と日本人の働き方のゆくえ
著者等紹介
森井博子[モリイヒロコ]
1977年労働省入省、労働基準監督官任官。東京労働局監督課主任監察官、安全課主任安全専門官、企画室長、労働保険徴収部長等を歴任し、2010年退職。同年社会保険労務士登録を行い、森井労働法務事務所開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
32
労働基準監督官が何に対峙し、何ができるのか。おそらくはもともと現場でかなり鳴らした(マルサ的なイメージだな)方によるレポート。事故の後処理にせよ、過労死や過重労働にせよ、この方たちに頑張ってもらわないと。◇ボランティアで労働相談をやってるのだが、一人ひとりが頼る時にはやはり限界はある。児相や生活保護司同様だが、圧倒的に、手とサポートが足りてない。必要なのは一般からの支持、とすると、さらにわかりやすい本もほしいとこだ。◇とはいえ今年来年と、少しずつ予算増の傾向のよう。やはり世論というのは力をもっているのだ。2017/08/27
黒猫
15
さらっと斜め読み。労基署のお仕事や、労働基準法、労災認定の基準とか書いてあります。具体例がありわかりやすいです。日本人は働きすぎですね。ワークライフバランスっていうなら、官民も週休3日くらいにして欲しいけど。2017/09/06
としP
11
労基署の監督官の活躍が勇ましく描かれているが、自殺とか大事故などの、氷山の一角とも言えるような顕著なケースばかり。その水面下にパワハラ、過労死ラインすれすれの過重労働、サービス残業の横行、…。監督官が今の体制で頑張ったところでどうしようもないような問題が日本社会に根付いているのが事実。根本的には、会社が多すぎて、企業にも人にも余裕が無いのが問題ではないのか?2020/07/28
Yuichi Tomita
4
長年労働基準監督署の業務に係わっていた著者による労基署の仕事、自らの経験を述べたもの。 条文を見ればすぐ分かることだが、監督官にも逮捕の権限がある。実際に家宅捜索を行った例が乗っており、警察とは違い日常業務ではないので下準備が大変さが思いやられる。 最後に出てくる労災事故やハラスメントは少しの気遣いで防げるという一言が重い。2024/06/13
との(積んどきたい症候群)
3
労働基準監督署とは何か?をもっと色々な面から書かれているのかと期待したが、過去の事例が多く書かれているだけだった。 「これからの働き方改革」についてはモーレツ社員の考え方(過去の輝かしい思い出)はもはや時代遅れだということを理解してもらう必要がある。激しく同意。2018/06/13