出版社内容情報
ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、当時起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は、9月に行われる発表会に向け、夏休みも校内での練習に励んでいた。そんな中、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内に閉じ込められてしまう。そんななか、クラスの問題児・岩倉が何者かに殺害されてしまう。警察に疑いをかけられた岬は自らの嫌疑を晴らすため、素人探偵さながら、独自に調査を開始する。岬洋介、はじめての事件! さらに、書き下ろし短篇「協奏曲」も豪華収録! 大人気音楽ミステリー、シリーズ第4弾、待望の文庫化です。
内容説明
加茂北高校音楽科に転入した岬洋介は、その卓越したピアノ演奏でたちまちクラスの面々を魅了する。しかしその才能は羨望と妬みをも集め、クラスメイトの岩倉にいじめられていた岬は、岩倉が他殺体で見つかったことで殺人の容疑をかけられる。憎悪を向けられる岬は自らの嫌疑を晴らすため、級友の鷹村とともに“最初の事件”に立ち向かう。その最中、岬のピアニスト人生を左右する悲運が…。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』にて第8回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞を受賞し、2010年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
290
「いつまでもショパン」の最後から話は始まり、その後の話かと思いきや、高校生の同級生 鷹村亮の高校の時の岬洋介の回想録。ビアノの才能が突出していて小学生のように純粋であるため高校の音楽科クラスで浮いてしまうが鷹村が親友となり、豪雨による災害や、高校で起きた殺人事件の容疑をかけられた岬と共に立ち向かう青春譚。今回のテーマはベートーヴェンの「悲愴」と繰り返し出てくる才能問題。「頑張れば何でも夢は叶う」というありふれた応援メッセージに待ったをかける。信じて頑張っても無駄な努力となる場合があるというあまり触れたく2017/12/18
ゴンゾウ@新潮部
126
岬シリーズのエピソード0。学生の頃の岬洋介。天賦の才能がある故に周囲の嫉妬をかう。そのことが陰湿ないじめに発展する。いじめの対象になっても曲げない強さある意味での無頓着さ。そのことが印象的だった。事件解決よりも岬洋介の内面を感じることができた。父のエピソードを描いた作品もよかった。2019/06/08
マドロス
125
久しぶりの岬洋介。高校生の頃からぶれないキャラ。音楽に対して一途すぎ。最後の一行にニヤリ。次回作も楽しみです。2017/07/10
yanae
121
文庫版で再読。文庫書き下ろしの「協奏曲」目当てで。本編も面白かった。⬅ちょっと忘れかけていたし(笑)なので最後の一行はビックリして、初読のときも、同じくビックリしたことを思い出す。いじめのところはやっぱりムカムカした!相反してそしてピアノの演奏は天晴れ、気分爽快。と、書き下ろしの短編がすごくよかったー!岬検事(父親)の事件に、洋介が関わって事件解決に導く。この推理力を目の前にしてしまえば、やっぱり検事にしたいって思うんだろうな。2017/05/10
うっちー
119
前日たんとしては、長かった。書き下ろしの協奏曲が一番よかった2020/04/26