内容説明
日本国民にとって天皇とは何かという一大疑問に答えます。皇室記者だけが知り得た公務の舞台裏とはどういったものなのか。丹念に描かれた取材ノートの臨場感あふれるスケッチとともに、メディアではつまびらかにされていない宮中のしきたり、宮内記者会の役割、国賓のおもてなしなど、象徴としてのお仕事を紹介。皇室と国民のふれあいに接した記者の生々しい感慨を追体験することができます。皇室と行動をともにし、車列の向こう側に立ったことで、初めて見えてきた国民の姿とはどのようなものなのか。皇室記者独自の目線から、両陛下が国民に敬愛されている真実について解き明かします。
目次
第1章 初めての皇居
第2章 皇室の存在感
第3章 見える権威と見えない権威
第4章 宮内記者の目線
第5章 バルト三国歴訪
第6章 素顔の皇室
著者等紹介
大木賢一[オオキケンイチ]
1967年、東京都生まれ。1990年、早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。共同通信社入社。鳥取支局、秋田支局、大阪支社社会部などを経て本社社会部。大阪府警と警視庁で捜査1課担当。2006年から2008年まで宮内庁担当。大阪支社社会部、東京支社編集部でデスク、仙台支社編集部で担当部長。2016年11月から本社社会部編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
21
天皇ご一家だけでなく周囲の人たちも、なんて大変なんだろう2020/01/28
詩音
9
なんていうか、新聞記事になったものよりも、もう少し詳しいだけのもの。記者たちがどう動いているのかは、はじめて知ったことも多い。気を使うことは多いだろうけど、悲惨な事故現場などで、被害者の心の傷をえぐるような仕事ではないし、特ダネをとる必要もなさそうなので、所属としてはいいのかもしれない。2018/08/30
るるぴん
5
天皇の番記者は宮内庁がセッティングする場所に出向き、許可された範囲内で動向を見守り記事にする仕事。至れり尽くせりで賓客のような扱い。お声がけ禁止。これでは、悪い記事は書けないだろう。平成天皇は天皇陛下に在位されてからは、全国行幸啓で存在感と自らの意思を示された。非の打ち所の無さが、神格化というか、開かれているけど、別次元の存在として礼賛の対象になっているようだ。第2王子というだけで、秋篠宮は警備も準備も驚くほどカジュアルなのに驚く。予算の都合か?悠仁様が生まれて、この立ち位置は秋篠宮家としては微妙では?2020/01/31
Masayuki Shimura
2
【見えるとか見えないとか、儀礼的、形式的であるとかそうでないとかいったことにかかわらず、現実として天皇が負っている「権威」の部分を、私たちは軽視してはならないのではないか】(文中より引用) 一定の立場や距離感からでしか覗けない世界というものが多かれ少なかれあると思うのですが、一つの代表例が皇室担当記者なのかなという思いを抱いた作品。物理的には至近距離で取材をしながらも、あくまで対象の外側に位置し続けることから見えてくる証言ではないかと思います。 今までにあまり読んだことのないタイプの本でした☆5つ2019/10/23
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
2
皇室番をしていた著者の取材記録。人間としての天皇家の人々の姿を語ろうとしている。 2019/01/16