出版社内容情報
『田中角栄 100の言葉』からつづく「100の言葉」シリーズに三島由紀夫が登場。貴重な写真と三島由紀夫の言葉が現代に蘇る。監修は『ミシマの警告』の著者、適菜収氏。新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれる三島由紀夫の評論から100の言葉を厳選した最高の自己啓発書です。
内容説明
作家、俳優、ボディビル、「楯の会」結成、そして自決…。さまざまな虚飾で彩られ、多くの誤解にまみれた作家・三島由紀夫。彼が本当に言いたかったこととは何だったのか。「言葉を通じて、われわれは日本につかまれている。だから私は、日本語を大切にする」日本を代表する文豪が命を賭して訴えかけた魂の提言。
目次
第1章 政治を語る(理性と狂信;日本の近代化 ほか)
第2章 日本文化を守る(他愛のない愛国心;洋行貧乏 ほか)
第3章 文学・芸術・ダンディズム(ニーチェと病気;自殺について ほか)
第4章 盲信を脱する(ファシズム;日本の右翼)
著者等紹介
適菜収[テキナオサム]
1975年、山梨県生まれ。作家。哲学者。早稲田大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
94
三島由紀夫名言集。他社から同様の本は出ているが、そこは後発、適菜収が監修している。その為に三島がニーチェに触れた発言をピックアップしていたりもするするのだが。写真も沢山あり、眺めていて楽しいのは三島がコスプレ的な活動も辞さない社会的スターだったからであろう。三島の写真は多彩なのだ。同様の三島名言集を読んだ事もあり、その時もふと思ったのだが、この人の小説はいずれ消えても、評論や批評的雑文は永く遺り続けるのでは無かろうか?。現に三島の死と共に棚に上げた宿題の期限が今頃になって刻一刻と近付いている気がするのだ。2016/06/25
かんやん
32
新潮新書の『三島由紀夫の言葉』が、小説、戯曲など様々なジャンルから幅広く編まれているのに対して、こちらエッセイや対談中心。テーマも政治よりに感じた。この手の本は編者によって大部印象が変わりそうだ。一ページ一語(少ない…)、見開きの右に言葉、左に写真。楯の会の制服、鎧甲に日の丸扇、空手道着、上半身裸で日本刀構えたり、剣道着、歌ったり、化粧したり、ボディビルやったり、戦闘機に乗ったり、戦車に乗ったり…コスプレ写真集か。もうムチャクチャ意識してますね、カメラを。言葉も、そう。芝居がかっているというのか。2020/10/04
馨
23
今まで読んだ本なんかに書いていることや写真も若干かぶっているものもありましたがなぜか三島由紀夫となると読んでしまいます。最初の方の言葉は凄い日本のことを真剣に考えていて、(最後も考えているのはいるのだが)終わりに近づくにつれ、日本の将来を不安がっている言葉が増えていって切なくなりました。2016/06/24
犬こ
20
三島由紀夫だから、日本国のことを憂う言葉が多く、理解に窮することもしばしば。三島由紀夫という人間のことをもっと知った上で、この本を読んだら捉え方も変わってくるのでしょうね。写真も言葉も熱い一冊。2017/06/16
nami
14
三島由紀夫とはどんな人物だったのか。重厚なテーマを通してその思想の一端に触れられたような気がする。三島由紀夫は、文学とは救い難い悪が潜んでいることを教えてくれるもので、よい文学とは一番恐ろしい崖っぷちに置き去りにしてくれる危険なものなのであると語っている。初めて「金閣寺」を読んだ時に覚えた感慨を思い出す。人々が文化を忘れかけているこの時代にこそ、三島由紀夫の生き方が道しるべとなるのではないだろうか。かく言う私も古典には疎いし、日本文化とは何たるかなどわかっていない。時代の流れと逆流するのも一つの楽しみだ。2023/02/13