出版社内容情報
「少年A」、「ネオむぎ茶」、加藤智大、片山祐輔、そして小保方晴子――。ロスジェネ世代とゆとり世代に挟まれた、1982年前後生まれの彼らの世代には、しかし名前がない。『絶歌』(元少年A)や『あの日』(小保方晴子)で再び注目を集める彼ら「名前のない世代」たちに、時代が名前を付け損なったのはなぜなのか? 彼らと、彼らが生きてきた昭和から平成にまたがる激変の時代を、自らも世代の当事者である著者が鮮やかに描ききる!
内容説明
少年A、ネオむぎ茶、加藤智大、片山祐輔、小保方晴子―。社会から名前をもらえなかった世代とは何であるのか?この30年間とは何だったのか?同世代の著者が克明に描く、世代論の最終形!
目次
0章 名前のない世代
1章 幼年―1980~1994年(三代目―1980年~;昭和の思い出―1980~1989年 ほか)
2章 少年―1995~2000年(目覚め―1995年;キレる ほか)
3章 青年―2001~2010年(微熱―2001年~;ネット右翼―2002年~ ほか)
4章 大人―2011~2016年(3・11―2011年;匿名時代の終わり ほか)
終章 閉塞感の向こう―1982~2016年(閉塞の世代?;時代閉塞の現状 ほか)
著者等紹介
佐藤喬[サトウタカシ]
1983年生まれ。フリーランスの編集者・ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有坂汀
10
1982年生まれ。僕と同年代の人間はとりわけ「香ばしい」人間を輩出した世代であり本書でも取り上げられている神戸連続殺傷事件の犯人である「少年A」に始まって、西鉄バスジャック事件の犯人である「ネオむぎ茶」、僕も事件の1週間後に現場を歩いた「秋葉原無差別殺傷事件」を引き起こした加藤智大、「PC遠隔操作事件」で御用と相成った片山祐輔。上は「ロスジェネ世代」と呼ばれ、さらに下は「ゆとり世代」に挟まれた存在なのでありますが、昭和から平成にまたがる激変の時代を生きていたんだなぁ、とみょうな感慨に耽っていたものでした。2025/05/05
makimakimasa
7
妻の生まれ年。そうか酒鬼薔薇聖斗や加藤智大や小保方晴子と同い年だったのか…、あと電車男や与沢翼や古谷経衡も(ポップスターやスポーツ選手は本書では取り上げられず)。久々に聞いたけど「キレる17歳」だったのか。自分は彼等より4つ下なだけなので、DB・幽白・スラダンやスーファミの最盛期を共有しており、その後の閉塞に向かう時代の流れも空気も実感しているので、特に得られる物は無くとも読み物として楽しめた。時代や個人の行動が複雑化し、世代論は不可能になりつつあると著者は自覚するが、漠然とした雰囲気は掴める。2024/08/28
ザカマン
6
説明や考察ばかりで、結論はない。ニュースの年表見てるみたいで懐かしさはあったが。宇多田ヒカル、倖田來未みたいな芸能的にヤバい人たちも多いと思う。2019/07/08
てながあしなが
5
世代論の本なんだけど、断定を避けすぎているきらいがある。ただ、ここまでこの世代が世間的に怖がられ、無責任に分析されて続けていたという事実は知らなかった。自分がその世代だったら、そりゃあ社会に対して恨みのひとつやふたつくらい持つだろうなぁ。2019/07/04
田中はにわ
5
1980年代前半の生まれ。ぼくらはロスジェネとゆとりに挟まれた名前のない世代だ。その生きてきた時代が、VTRのように淡々と綴られる。黒澤明の「生きる」、丸山真男の「であることとすること」への言及のあたりで、うなづいた。ぼくらの人生は、これからはじまる。2016/06/06