絶望老人

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800249548
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0036

内容説明

孤独を癒すのは詐欺師の詐欺話、老後破産は“強欲血縁者”とともに、「生かされるだけ」の高級老人ホーム、居場所は激安居酒屋、最後はアル中、同居は地獄、施設は天国という現実、行き場なく「パチンコ依存」全財産破綻―決して他人事ではない!「貧困」「無縁」「独居」―35人が語る老後のリアル。

目次

第1章 善意の人―「詐欺被害」に遭った81歳女性の心理
第2章 蜃気楼―居酒屋に集う老兵たち
第3章 理想と現実―元介護ヘルパーの告白
第4章 未亡人三景―夫との関係性と老後の人生
第5章 男たちの幸福論―単身熟年男性の過去と現在
第6章 引き返し不能地点―介護老人保健施設の老婆
第7章 終の棲家―「アルコールとハイヒールの女」の末路
第8章 高齢ホームレス―“河川敷の哲学者”たちの言葉
第9章 絶望老人―消せない過去と東京タワー

著者等紹介

新郷由起[シンゴウユキ]
1967年、北海道生まれ。93年より文筆業へ。元『週刊文春』記者。「家族の在り方」「老いと死」をテーマに取材・執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

103
タイトルは「釣り」っぽいw 出版社のマーケティング戦略かと。日曜9時からやっているNスペの「高齢者の孤立死(孤独死)、看取りのない社会」とかを想起させるかもしれないが、そういう話ではない。この本を読むべきはどちらかというと、30代後半から40代前半の人だろう。マネー誌とかで「老後の蓄えは●千万円」とか特集を組まれたりするが、実際に持っていてそも「幸せな老後」かといえばそうでもない。結局、何が分かれ道になるのかは、中年になって衰え始める好奇心を常に維持し続けられるかだと思う。2017/06/05

kinkin

79
まえがきに書かれていた、老年期を生きる上での体外的な三大重要課題が「金」「無縁」「独居」とされる。このキーワードをもとにそれを体現して暮らす高齢者たちの生の声と人生が老い、人生に幸せとはなにかを探っていく。個人的には混雑時間前の居酒屋に集まってくる見知らぬ者同士がそこで晩酌や簡単な夕食をとること。会話はほとんどないがときに会社生活の想い出を自慢気に話す男やお調子者がいたりする。このような光景が全国至る箇所で見られるという。リタイア後の価値観は働いているときのそれは通用しないことを自覚することが大切という2017/04/29

どんぐり

73
前作『老人たちの裏社会』に次ぐノンフィクション。詐欺被害に遭う老人、激安居酒屋に集う老人、朝から公判をはしごし続ける裁判所「傍聴シニア」、パチンコ依存の老人、ゴミ屋敷に住む女性、高齢者ホームレスなど、様々な高齢者がこの本には登場する。どのように未来を想像しても悪い状態になることしか想像ができないのが「絶望」だ。身体的老いを自覚し、職業からの引退などをとおして自己の存在感や価値を見失い、絶望感を抱いて嘆く「絶望老人」。その多くは、長く生き延びた老いの日々を「貧困・無縁・独居」で不安・不満を募らせるだけで、年2017/05/26

キムチ

47
老年期こそ、人としての歩みと成長の集大成が発現する~マズローの欲求5段階説にあったなぁ。週刊誌やワイドショーの小ネタを系統だって面白くまとめた1冊だ。戦後生まれがしてきた子育てが日本を悪化させていくとどこかで聞いた。過保護・・とは言えその尺度は難しく、客観的に定義付けられない。主観に基づけば振幅が広がる。何と言っても自由、民主主義の今だもの。だがそれが現況を招いたと言える。生きたように老いていく・・日本人の多くが備えている不安気質が更に負いかぶさり、超高齢化時代に生きる高齢者絵図を作りだしている。2017/05/30

つちのこ

30
実家に帰省し、90才を迎えた老父と過ごすなかで本書を読んだ。認知が進み「歳は取りたくない」と何度も繰り返す父の独り言を聞きながら老いることの意味を考えたが、タイトルにある絶望まではないにしろ、明るい未来を想像できない現実はぬぐえない。本書には様々な事情を抱えた老人たちが出てくるが、著者がいう「途方もなく長くなった老いて生きる日々は、それまで自分がそなえてきたものの上に成り立つ」という事実には、頑なに自己の生き方を貫く信念に共感を覚える一方で、軌道修正ができない柔軟性が失われる、老いの怖さを知る思いがした。2023/11/04

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