内容説明
十歳で突然死んだ幼なじみの真広は、養護教諭になった二十五歳の紗絵の前にいまも姿を現す。人々に幸福をもたらす「キセキ」として。世の中の奇跡のほとんどは、じつは彼ら「キセキ」たちがこっそり手助けすることによって起こっているという。真広はなぜ「キセキ」になったのか。そして、彼が最後に起こす奇跡とは…?第10回日本ラブストーリー&エンターテインメント大賞・最優秀賞受賞作。
著者等紹介
田丸久深[タマルクミ]
1988年、北海道生まれ。高校卒業後、医療事務員として働く。『僕は奇跡しか起こせない』で第10回日本ラブストーリー&エンターテインメント大賞の最優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
124
奇跡をおこすキセキとの切ないお話!そこに伏線があったかと思わず前のページを振り返ってしまいました(^^;)切ないストーリーですが、すっきり納得する面白さでした(^^)作家さんは北海道出身。応援したくなりますね(^o^)違う作品もぜひ読んでみたいです!BGMにはSEAMOなんかどうでしょう…頭の中に『マタアイマショウ』『そばに~たいせつなひと』が浮かんできました(^^;)2016/04/29
寂しがり屋の狼さん
71
日常に起こる奇跡は、じつは一度死んだ人間が人々に奇跡を起こす『キセキ』となり、世のために起こしているもの…大切な人を想う気持ちは長い年月をかけて最後に大きな『奇跡』を起こす🍀いまは触れることも出来ないけれど…いつか、この想いが素敵な『奇跡』を起こすといいなあ(*^^*)2019/12/24
はつばあば
62
若い人に受けそうな奇跡を伴うラブスト~リ。高齢の私には・・あの昔の恋は何処へ行ったんや~奇跡が起きて再会はないのか~・・なんてね(^^;。新人作家さんも大変だわ。出版社も奇跡のように本にしてくれるわけではないし・・これからが本番。頑張って下さい2017/07/11
桜父
60
初めて読む作家さんでした。十歳で突然死んだ幼馴染の「真広」は大好きな「沙絵」を守るために、「キセキ」になり仕事として小さな奇跡を起こしてゆく。真広が沙絵の事を本当に大好きで、未練を残して死んでいった事が痛いほど文章で伝わってきた。そんな沙絵も真広を忘れられない・・・2人のラブストーリーが切なかったです。終りの方ではもう一つのラブストーリーが進行していたのには驚きました。楽しい1冊でした。この作家さんは次どのような形の話を書くのか楽しみです2015/09/14
dr2006
58
「奇跡」が実は、この世に未練を残し死んでいった人々が起こしている仕業だとしたらどうだろう。25歳になった今も、主人公紗絵の目の前には、10歳で死んだ幼馴染の真広が現れる。彼は自分が「キセキ」を起こす存在だという。ラノベ的ファンタジー満載だが、登場人物を複雑な家庭環境に置き、奇跡の裏にある心情を読ませるところが寧ろ現実的だ。そんな幅のあるプロットが本作を深い作品にしている。紗絵が奇跡的に真広を想い続けるのが、自分にはじれったく感じたが、これは間違いなく奇跡のラブストーリーだ。2019/04/01