内容説明
祖父母の住む地域に伝わる“ある慣習”を描く「沼地蔵」、各国の医療を受けられる列車が現れた世界を描く「本当に無料で乗れます」、わが子への愛情を描く「ずっと、欲しかった女の子」、家族を乗せた電車の行き先は…「オシフィエンチム駅へ」など、バラエティ豊かなホラー26作品!
目次
おどろおどろし…土着怪奇幻想譚―沼地蔵(乾緑郎)
母の心情、娘の真胸 歪んだ愛が、庭に咲く―チョウセンアサガオの咲く夏(柚月裕子)
呑み屋で出会った男が語る、世にもおぞましい“スイカ割り”―スイカ割りの男(藤八景)
本格謎解きひと駅ミステリー!―オシフィエンチム駅へ(中山七里)
スタミナ満点“栄養湯”の秘密―しろくまは愛の味(奈良美那)
乾いた筆致で描く、ひと夏の異世界体験!―死体たちの夏(乾緑郎)
今の時代だからこそ、こわーい話―死を呼ぶ勲章(桂修司)
僕の大切なうさぎ、かわいそうな小さなうさぎ―かわいそうなうさぎ(武田綾乃)
悲鳴が漏れる?ひとりで夜、読まないでください―夏の終わり(伽古屋圭市)
不倫相手の子を産む決意と、好きな人と結ばれる確率と―猫を殺すことの残酷さについて(深沢仁)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
81
「5分で読める!」シリーズより抜粋の26話のうち7話は再読。何となく終わりが読めそうな、でも予想だにしなかった結末も多く、短編ながらも最後まで気を抜けない感がいい。残酷なラストの「しろくまは愛の味/奈良美那」「かわいそうなうさぎ/武田綾乃」、ラストでドキッとする展開の「夏の終わり/伽古屋圭市」「ある人気作家の憂鬱/島津緒繰」「ずっと、欲しかった女の子/八樹純」「趣味は人間観察/新藤卓広」、ある夫婦の切なさに繋がる「記念日/伽古屋圭市」、ミステリーと思いきや穏やかに終えた「盆帰り/中山七里」がよかった。2015/12/26
Satomi
73
5分で凍る!!!!短編26話。5分もかからずサックリ読める。霊や妖怪の怖さではない。後味の悪い、人間って残酷だねーっと思わず顔をしかめるような怖さ。オチがカブっていてり…作家さんの苦悩の跡が感じられました。ちょっとした時間の隙間に読むのにピッタリ。面白かったです。2017/06/15
yukaring
69
すき間時間にサクっと読めるショートホラー26編。たった7~8ページの中にどんでん返しやハッとさせるオチが仕込んであるのが楽しい。お気に入りは祖父母の住む地域に伝わる"ある"風習を描く乾緑郎さんの『沼地蔵』想像するとゾッとさせられる結末がうまい。乾さんは『死体たちとの夏』も意外性のある設定が面白い。ねじまがった愛情と依存を描く柚月裕子さんの『チョウセンアサガオの咲く夏』や捻りのきいた結末が残酷な矢樹純さんの『ずっとほしかった、女の子』もすごく好み。実力派作家たちのバラエティにとんだ作品を気軽に楽しめる1冊。2023/12/23
アッシュ姉
58
これまで読んだ5分シリーズで一番怖くもなく今一つ。動物の虐待話が多くてげんなりしたのが要因か。トップバッターの乾緑郎さんの「沼地蔵」と、頭一つ抜けて中山七里さんが面白かった。2023/12/28
らすかる
49
5分で読めるって謳っているだけあってサクサク読めちゃう26篇の短編集。お初の作家さんから柚月裕子や中山七里の作品まであるからお得な1冊かも!ホラーというよりは人間怖い系。ミステリー寄りなものも、物悲しいものもあり飽きさせない!好物だらけのおせち料理みたい(o´艸`)2019/11/25