内容説明
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る、警視庁捜査一課の美人刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ曜”と呼ばれる。元教え子を8年間監禁した容疑をかけられる美術教師の真相とは。他人のパソコンを遠隔操作して殺人予告を書き込んだ容疑がかかるプログラマーと、彼についた人権派弁護士との対立。そして15年前に絵麻の恩師を殺害した犯人との直接対決など、難事件に挑む!全4話収録。
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年、長崎県生まれ。『ある少女にまつわる殺人の告白』(宝島社文庫)にて第9回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞、2011年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
361
エンマ様第2弾。途中繰り返しが多くうんざりする場面が多いのと、おそらく作家さん自身もネットかなにかで調べた心理学の知識のツギハギで書いてらっしゃるんだろうな的な痛々しさがあったが、後半一気に盛り上げた。うん、次巻も読もう。2019/02/16
Yunemo
264
前作と比べて格段の面白味を感じて読了。取調室から一歩外に出ての動きが、取調室でのやり取りに深みが出てきた、そんな感じでしょうか。何となく、事件性、捜査の経過に深みを感じます。自分を読み過ぎると、碌なことはない。感情の読み合いというのは、疲れすぎます。多重人格をメインに持ってきてましたが、果たしてこんな結末でよかったのだろうか。確かに面白かったのですが、気持の片隅にちょっとした違和感が残って読了、というもう一つの感じも残ってます。2014/04/26
absinthe
259
最後はこうなってしまったか。どこかオトボケで憎めないコンビ。最後はちょっと悲劇的だが。面白いシリーズの予感。心理学だけに頼ってをここまでうそを見抜くのは不可能だと思うのだが、なぜかこの本からはまるでほんとになりそうな雰囲気で伝わってくる。2017/06/24
ひこうき雲
222
『ところであなたは、何人いるの』─恩師を殺害した犯人を追い詰める楯岡絵麻。警察と司法の限界、裁けない犯罪者…15年間の長い道のりの解決編。シリーズは終わると見せかけて、まだまだ続く。新たな展開が楽しみ。2020/09/22
しんたろー
207
シリーズ2作目とあって、人物も設定もシックリと馴染んできた。取調室で容疑者の嘘を見破るパターンだけではなく、捜査の為に外へ出ていくシーンも増えてきて読み手を飽きさせない工夫がなされている。何よりも主人公・絵麻が活き活きと感じる心情描写が増えたので親近感が湧いた。バディ役の西野とのコンビネーションも良くなってきたし、捜査一課に仲間が出来てきた終わり方も良かった。短編を重ねて、仇敵との対決である中編へ流れ着く展開も巧かったし「PART2は面白くない」という定説を覆した好例と言える。シリーズを続けて楽しみたい♬2018/07/13