宝島sugoi文庫
精神病棟40年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800209184
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

16歳のときに統合失調症を発症して以来、入退院を繰り返しながら実に40年以上もの歳月を厳重な管理のもとで暮らすことになった時東一郎氏。「電気ショック」の懲罰、患者を無力にさせる劇薬投与、牢名主の患者と女性看護師との院内SEX…精神病棟を終の棲家とする時東氏自身が見て体験した「現実」を、赤裸々に綴った問題の手記。

目次

1章 最後の脱走劇、そしてG病院への永久収容
2章 無縁社会に捨てられた人びと
3章 私を幻惑させたオンナたち
4章 閉ざされてゆく社会復帰への道
5章 それでもまた、春はやってくる

著者等紹介

時東一郎[トキトウイチロウ]
1951年生まれ。16歳のときに統合失調症を発症し、都内の病院に収容される。2度の脱走劇、入退院を繰り返し、1973年には精神病院に強制転院。このとき22歳。以来、40年近くもの歳月を同病院で過ごす。その病院が2011年に廃院となり、別の精神病院に転院した。精神病棟生活は、実に45年を数える

織田淳太郎[オダジュンタロウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学卒。ノンフィクション作家。野球・ボクシング・陸上などに題材をとったノンフィクション、コーチング本を数多く著す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

69
16歳の時に統合失調症を発症して以来、入退院、脱走を繰り返しながら、40年以上も精神病院で暮らすことになった時東一郎氏の手記。これだけ長い間入院生活とは、どれだけ酷い症状だったのだろうと思い読み始めた。ところが読んでいて驚いた事は作者の症状ではなく、精神病院の実態。入院患者への扱いも酷いがそれよりも一度入院したら、二度と出る事は出来ないのではないかという精神病院の運営実態。いやー、全く知り得ない世界を知る事が出来ました。⇒2017/03/12

carl

21
精神病患者の手記だが語彙能力に優れてるし、自己分析もできているし40年も入院させられる程の病状なのかなと単純に思った。精神病院の運営実態、医師に非常に疑問と興味が湧いた。もっと実態が知りたくなった。 文章表現は素人だからちょっと飽きてしまうところも有ったが気持ちは十分伝わりました。日本の闇の部分が垣間見られました。2017/11/02

奥田さん

6
いやー。。。なんとも言えない。たんたんと書かれているが、精神病棟じゃないやん、刑務所よ。本当に扱いが人間じゃない。何回も逃げては引き戻され、薬を与えられ。。やはり幼少期の育て方間違えたらたいへんだな。2017/05/01

雲をみるひと

5
精神病棟に長期入院している作者の半世紀。作者自身が受けてきた治療はじめとしたエピソードや感想が内容の中心。作者のフィルターを通していることは考慮しなければならないと思うが、病院や治療の現場の実態がわかる。2019/11/30

うたまる

4
「あんたらは退院させられないよ。うちがやっていけなくなるから」……40年以上に亘り精神病院に入院している著者の体験記。彼がこんなにも長期間入院しなくてはならなかったのは、病状のせいではなく精神病院の経営のため。そのため著者は入院患者のことを”固定資産”と呼ぶ。明らかな人権侵害だが、解決は難しい。患者本人よりも保護者の意向の方が優先される制度、ブラックボックス化した病院と治療、そして精神疾患者を受容できない社会。本書を読みこの人権侵害に憤るのも、そのくせ自分の近くにはいて欲しくないと願うのも我々自身なのだ。2015/12/14

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