内容説明
高校生がいじめを苦に自殺した問題で、人気ブログやネットの既婚女性専用掲示板=鬼女板では、加害者少年の実名が挙げられ、糾弾されている。一方、とある理由で退職した元高校教師の理沙子は、ブログを開設し、日々の出来事を綴る。ある日、飲食店のクレーム記事を投稿したところ思わぬ反響があり、やがて予想もつかない事態に発展し…。鬼女(既婚女性)たちが、現実世界を動かしていく。
著者等紹介
堀内公太郎[ホリウチコウタロウ]
1972年3月生まれ、三重県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。『公開処刑人 森のくまさん』にて第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NADIA
112
ネットといじめ問題というとてもポピュラーなテーマで、最初からストーリーに無理なく引き込まれる。この作品での「鬼女」というのは既婚女性のことである。「既婚女性限定のネット掲示板」が「鬼女板」という具合だ。この掲示板の暴走ぶりが読んでいてとても興味深く先を急がされる。しかし実際のネット社会もこのように非常識に盛り上がっているところもあるだろうと思うと、背筋がゾッとした。匿名性は暴走しがちだ。前作・前々作「森のくまさん」と繋がっていて、より以上に楽しめた。このまま次作の「だるまさん」へ。2017/12/14
ちーたん
88
★★★★☆既婚女性専用掲示板。略して既女板、、きじょいた、、鬼👹女🚺板!そこで祭りと化し盛り上がるスレッド【唐木市イジメ自殺問題】イジメの主犯とされる少年の個人情報やイジメ内容が晒される。一方、元教師で妊婦の理沙子は、社会との繋がりを持ちたくて夫に隠れブログを細々とやっていたのだが、あるきっかけでバズる事に!そしてそれは顔の見えないネット住民(鬼女達)から執拗に攻撃される序章だった…!ネットの恐怖と陰湿さをまざまざと表した物語。堀内作品は発売順に読んだほうが良さそう!森くま🐻とも繋がりが〜!!2020/04/09
takaC
86
ある程度はノックスルールやヴァン・ダインルールを守って欲しいな。そういう読み方をする小説ではないと言われればそれまでだが。2014/01/07
nyanco
71
堀内さん2作目。今回も2chネタ、時間を持て余している既女達、怖~~~い!鬼女板の存在、知らない人もまだ結構いるんじゃないかな。正義を振りかざして、やってることは犯罪スレスレ…本人たちに悪意がなく、お祭り騒ぎってのも恐ろしいです。ブログ炎上のターゲットのされた理沙子が、ブログを閉鎖しないのも、コメントを承認制にしないのも解らない。普通、これだけ荒れたらやめると思うんだけど…このへんがちょっとモヤモヤでした。ラストの一捻り、あぁ…そういうことでしたか!?さて、ドジョウは何匹までいるのかしら…2013/07/10
nobby
68
なかなか現実味あって面白かった。鬼女とか処刑板とか、どこまで本当なんだろうか?何気ないつぶやきや投稿の持つ影響は怖い。取り方・捉え方によって、どうにでも拡散される。所々にログが出てくるスタイルは個人的には嫌いではなかった。あしだかおるの正体はなるほど!というか、『森くま』あんまり覚えてない(笑)2013/12/07