内容説明
弁護士の「私」は、新米女性弁護士・土田と一緒に、福岡県警察博多警察署留置所にいた。法テラスから、被疑者国選弁護士選任の依頼があったため、傷害罪で逮捕勾留されている女性に接見しに来たのだった。ところが、この女性は当初から完全黙秘を貫いており、「留置番号二〇三号」と呼ばれている。彼女はいったい何を隠しているのか。事件に興味を抱いた「私」は、過去のある事件に注目するが―。
著者等紹介
法坂一広[ホウサカイッコウ]
1973年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。在学中に司法試験に合格。現在、福岡県で弁護士として活動。第10回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作、『弁護士探偵物語 天使の分け前』(宝島社)にて、2012年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
30
まず装丁、デビュー作がちょっとダサかったのでスタイリッシュに変えてきましたね。リアル弁護士でもある法坂さん、弁護士の実情の部分をリアルに描いてくださる当たりは面白い。新米弁護士・土田有里を登場させることによって、新司法試験制度の前後の違いをついて描かれている部分、非常に興味深かったです。弁護士事務所でのイソ弁経験なしに即独になった有里ちゃんが、弁護士探偵に毒されながらも成長していく…という有りがちなパターンではありましが、ま、それなりにその部分は面白かったです。続→2012/12/27
まるぷー
19
福岡で起きた傷害事件の被疑者の女の国選弁護人となった新人弁護士の土田とそのアドバイザーの弁護士。被疑者は黙秘、被害者は意識不明。二人の身元は?ICUに入院中の被害者を殺そうとして忍び込んだ謎の男、スナックの放火事件。一方20年前の藤枝での殺人事件で逃亡した犯人とされる荻、担当弁護士、犯人の義妹、当時の警察署長で警察官僚の木場が福岡に。次々と点が線となり土田は黙秘の女から証言を取る。そして、この女が二つの事件の重要な関わりを持ち、真犯人に辿り着く。痛快で読み応えがあり、土田の法廷での尋問も良かった。 2021/02/24
拓郎
19
終わった感想は弁護士さんが小説を書くとこんな感じになるのか!です。ちょっと普通の人とは視点が違いました。デビュー作も読んでみようかと思いました。2014/11/15
ダイ@2019.11.2~一時休止
15
弁護士探偵物語その2。前作より面白かった。ちなみに鳥栖って佐賀なんだってこの本読んで知った。2014/02/20
あや
15
【図書館】シリーズ2作目。このくどい独特な言い回しにも慣れてきたのか、前作よりも面白く感じました。現実的な背景とリアリティーの無さが入り交じっているところが興味深い。2013/02/25