内容説明
警視庁捜査一課巡査部長で取調官の楯岡絵麻。行動心理学を用いて、相手の仕草や行動パターンから嘘を見破る手腕から、通称「エンマ様」と呼ばれる。幼馴染殺害の容疑がかけられた歯科医、人気俳優の夫を殺害したと自白する国民的女優、クレーマー殺害の容疑がかかる占い師、絵麻の同僚を被疑者に追い込んだ音大生…。取調室で絵麻が被疑者に向かい合うとき、事件の真相が浮かび上がる。
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年、長崎県生まれ。熊本大学法学部を除籍後、上京してミュージシャンに。第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、『ある少女にまつわる殺人の告白』(宝島社文庫)にて2011年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
521
偶然手にした初読み作家さんだが、素直に面白かった。なんたって女優級美人の捜査官・絵麻(通称エンマ様)と、部下刑事・西野との掛け合いが楽しい。気に入らないのは、このふたりがお互いに好意をもっているらしいところ。それではあまりにありきたりすぎるので、このまま並行線で行ってもらいたい所存である(笑)本格的ミステリーとしては、各犯罪の動機が弱すぎたり、行動心理学と言っても毎回同じようなタネ明かしが続くので、深みを期待すると裏切られるかもしれないが。シリーズ少し手に入ったので、続けて読んでみよう。2019/02/12
absinthe
433
面白い。心理学を応用する捜査官は珍しくなくなったが、取調室だけで進行するこの話は面白い。事件は取調室で起こってる・・・かのようだ。短編集形式なのも良い。通勤の合間にも読めそうだ。警察組織の描写はまったくなく、二人の捜査官と犯人と、最低限の関係者しか登場しない。密度の高いエッセンスだ。2017/06/17
Yunemo
329
面白い感じの刑事物語と、捉えれば楽しめるのかも。でもこれから先の展開は難しいよね。一度パターンができてしまえば、後は同じ展開になってしまう。巡査部長の「楯岡絵麻」を自衛官の「岬美由紀」と比較はできないが、ここの差は大きい。何が? 話の展開、話題性、相棒の在り方、犯罪の質。取調室から出るのも一つの手。それなら、違った形で行動心理を表現できるかも。読み手にとっては、この分野は面白い、というのが実感。2012/12/02
はにこ
250
取り調べ室で犯罪を暴く、エンマこと楯岡絵麻。聞き込みとか全然無いので、物足りないかなぁと思ったけど、行動心理学を駆使した洞察力がかなり面白かった。取り調べだけで事件が解決するなら楽なのにねぇ。西野とのコンビも良くて、これからも楽しみな展開。恩師の殺人事件の真相も気になる。2020/10/12
直人
241
栗山千明主演ドラマの原作(ドラマはなかなか面白かったと思う)。 行動心理学を修めた刑事が,取り調べにその力を発揮するという話し。 いずれのエピソードも読みやすく面白いんだが,ドラマを先に観てしまった私からしてみると,マイクロジェスチャーなんかは判りやすかった。 文字から先に入ると,今ひとつ掴みづらいところもあったかも。 コアになる物語があるようなんだが,その全貌が見えづらく,よって印象が弱かったのは残念。2019/01/02